ウミヅキチョウチョウウオ
全長 12cm
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幼子が本能の赴くままにテキトーに落書きした絵のような模様のこのチョウチョウウオ、その模様をして海と月に見立てたのであろう命名者に乾杯。 チョウチョウウオ類といえば、中層で群れ泳ぐタイプでないかぎりたいていペアで仲良くしているものなのに、このウミヅキチョウを見かける時はたいてい単独でいる。 彼ら自身が相方を見つけられないくらいなのだから、我々が出会う頻度が少ないのも当然だ。 どこかの海に行けばたくさんいるのか、それともどこに行っても単独で暮らしているのかは知らないけれど、水納島で見かけるウミヅキチョウはほぼオトナサイズのものばかり。 すでに記憶は真夏の陽炎のごとくユラユラしているので定かではないものの、おそらくこれまでに一度として「幼魚」といっていいサイズの子に出会ったことがない。 似た食性のセグロチョウの幼魚が内湾性の環境を好むように、このウミヅキチョウチョウウオのチビターレも内湾ぽい環境にいるのかもしれない。 本島近海の「内湾」といえば、真っ先に埋め立てられてしまう環境でもあるので、水納島におけるウミヅキチョウの少なさは、本島沿岸のそういった環境の急速な減少というところに起因しているのだろうか。 ちなみに、セグロチョウのチビターレはこのところビーチ内で目にする機会が増えているから、ひょっとするとビーチで頻繁に潜っていれば、超プリティウミヅキチョウに出会えるかもしれない。 |