この記事はプロダクト マネージャー、Jason James による Chromium Blog の記事 "Videos with fewer intrusive ads" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。


Chrome は、ウェブを閲覧するユーザーにできる限り最高の体験を提供することに常に注力しています。私たちには、ポップアップ ウィンドウをブロックする、ページに不正なソフトウェアが含まれている場合に警告するなど、長きにわたり悩ましく有害な体験からユーザーを守ってきたという歴史があります。ここ数年間は、Chrome ユーザーが共通して抱えている不満、すなわち悩ましく煩わしい広告に対処するための作業を続けています。2018 年には、業界基準に従わず、煩わしい広告を継続的に表示しているウェブサイトから広告を削除する作業に着手しました。また、Google は、インターネット ユーザーが特に悩ましいと感じるような広告は販売および提供しないよう、自社の広告サービスを更新しました。それ以降、北米とヨーロッパでの Chrome の広告ブロック率は大きく低下しました。

ウェブ エクスペリエンスにとって最も煩わしい広告を把握するにあたって、Better Ads Standards を使っています。これは、世界中のユーザーのフィードバックに基づき、Google などの企業にガイダンスを提供している標準です。

本日、Better Ads Standards の作成を担当するグループである Coalition for Better Ads は、世界中の 45,000 人を対象にしたユーザー調査に基づき、動画コンテンツを表示する際の一連の新しい広告標準を発表しました。

動画の再生前、再生中、再生後に表示される広告にはさまざまな種類がありますが、Coalition の調査によると、ユーザーは 8 分以内の動画コンテンツで次の 3 つの広告を特に煩わしいと感じています。
イメージの出典: Coalition for Better Ads
スキップできない 31 秒を超える長いプリロール広告または広告グループ。動画の直前に表示され、最初の 5 秒間はスキップできないもの。
イメージの出典: Coalition for Better Ads

長さを問わないミッドロール広告。動画の再生中に表示され、ユーザー体験を中断させるもの。
イメージの出典: Coalition for Better Ads

再生中の動画の上に表示されるイメージまたはテキスト広告で、動画プレイヤー ウィンドウの中央 3 分の 1、または動画コンテンツの 20% を超える部分を覆うもの。

動画コンテンツへの影響の有無

Coalition は、ウェブサイトの所有者は今後 4 か月以内に、サイトにアクセスするユーザーにこういった広告を表示するのをやめるべきだと述べています。それを受けて、Chrome も 2020 年 8 月 5 日からユーザー保護を拡大し、どの国においても、煩わしい広告を繰り返し表示しているサイトですべての広告を表示しなくなります。重要な点として、動画コンテンツを表示する他のサイトと同様、YouTube.com でもこの標準に準拠しているかどうかが確認されます。これまでの Better Ads Standards と同じく、この標準を受けて YouTube を含む広告プラットフォーム全体のプロダクト計画をアップデートするとともに、調査結果をツールとして活用して今後のプロダクト開発に役立てたいと考えています。

広告を表示するウェブサイトを運営している方は、広告に関する問題レポートでサイトのステータスを確認することを検討してください。このツールを使うと、Chrome が違反とみなす広告エクスペリエンスがあるかどうかを、サイト運営者が確認できます。今週より(元記事公開当時)、広告に関する問題レポートをアップデートし、サイト運営者が現在のサイトで新しい動画基準に関する問題を解決する際に役立つ情報を追加していきます。このプロセスに関する詳しい情報については、ヘルプセンターおよびコミュニティ フォーラムをご覧ください

Reviewed by Eiji Kitamura - Developer Relations Team