松浦祐子、三上元
新型コロナウイルスの集団感染が起きた大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号をめぐり、感染対策のあり方を批判する動画を公開していた岩田健太郎・神戸大教授が20日、動画を削除した。岩田さんは「ご迷惑をおかけした方には心よりお詫(わ)び申し上げます」とのコメントをツイートしている。
岩田さんは感染症の専門家で、18日に船内で活動する災害派遣医療チーム(DMAT)の一員として乗船。船内の状況について、同日夜にユーチューブに公開した動画で、船内は「どこにウイルスがいるかわからない状態」などと批判し、「悲惨な状況」などと説明していた。
この投稿に関しては、同船で感染症対策に携わる医師がフェイスブックに「下船していく乗客の方々、現場で頑張っている方々を追い詰めかねない内容」と投稿。当時の状況に関して「(岩田さんが)船内におられたのは2時間弱」としている。
また、岩田さんが、船内ではウイルスがない安全な区域とそうでない区域の区分けが十分にできていないと指摘したのに対し、完全とはいえないまでも「実際はゾーニングはしっかり行われている」と反論。船内で「患者さんとすれ違った」という岩田さんの主張については、疑義を呈している。
岩田さんは20日、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で開かれたテレビ会見で、動画を削除した理由について「クルーズ船の状況が昨日、多くのメディアで報道されたため。感染のリスクが存在しているという私の主張は変えない」と説明。さらに「私の意図は、誰か個人を批判することではなかったが『批判している』という意見があった。誤解が続かないよう動画を削除した。合理的、科学的な議論が状況を変えると思っている」と話した。(松浦祐子、三上元)
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