Friendshipは船と港 ~藤田くらら 小6でTOEIC980点までの軌跡~

小学6年でTOEIC980点を取った女の子のお話。中学1年での、学校体育時の事故が原因で「脳脊髄液減少症」を発症。寝たきりから「復活」の兆しが…

ここで睡眠障害治療をしばらく頑張る ~ 娘の決心、そして別れ ③

続きです。

 

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そこには、明るく穏やかな空間が広がっていた

  

入院の朝、娘を何とか起こして10時までに病院に入った。受付で手続きを済ませ小児病棟に案内される。入院中に読むための本の入った段ボール箱を含む大きな荷物を特大カートに載せて、看護師さんと供にエレベーターに乗り込む。

 

扉が開くと、ピアノの音と子供の笑い声と供に「明るい空間」が眼前に開けた。

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この明るく穏やかな雰囲気には覚えがある。昨年夏に母を看取った今日のホスピスのそれである。このような場所では、外の世界とは明らかに区別された独自の時間の流れ、人を癒すような優しい空気が演出されている。 

 

少し入ると、ロビーに置かれたアップライトピアノ。入院している中学生くらいの子供が何か弾いていた。 (他の子供が写らないようにと念を押されているため時差あり)

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そして、窓側には、ジムにあるようなトレーニング用のバイクが置いてあり、数人の子供がたちがおしゃべりしながら脚を動かしてペダルを回している。術後の娘は、まだこれは無理そうだが、リハビリ可能期間に入れば軽く始めることになるのだろうか…

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入院中でも季節感を大事にしているようで、大きな雛飾りが正面の一番目立つところに置かれている。横のテレビは予約制。

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この規模の雛飾りを見たのは、娘の幼児期に訪れた姫路の温泉ホテル以来である。

その日は3月3日で、娘はここでお雛様の精霊と遭遇している。状況的判断からこれは本物であるとしか思えない。

 

本当に不思議な出来事であり、この世のものでない麗人に会ったあの時の、小さな娘の何とも形容しがたい表情が今も忘れられない。

そのホテルまで、ここからは車で1時間ほどの距離であろうか。あの時のお雛様が大きくなった娘にまた会いに来て魔力で病気を治してくれないだろうか… 

 

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入院当日の娘の様子

 

あまり写真を撮ると良い顔をされないため、ここからは限定的になるが、当日の娘の様子をご報告までに。

 

まず始めに、相談用の部屋で、主治医と担当の看護師さんから、検査とおおまかな入院中の過ごし方の説明を受けた。

 

娘が楽しそうに眺めているのは、食事のメニュー表で、ここではなんと、平日の昼と夜はA,B二つのメニューから好きな方を選べるという待遇の良さ。

娘の大好物のチキンにも、高確率でありつけるので、この満足げな表情。

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その後、ベッドで少し休み、昼食を頂く。気圧も低くなかったせいか、ほとんど食べられたので驚く。環境が変化したことのストレスはそれほど感じていないようで少し安心。

 

この後、 他の子供達は、「低温サウナ室」に入り、サウナ治療。睡眠障害の子は日中の深部体温が上がらない事から昼夜のリズムが狂うそうで、術後の娘以外は皆交代にサウナ室へ向かう。

 

娘は、入浴。9時睡眠に向けて、家とは全然違う生活リズム。もうしばらく会えないのだなぁと、寂しくなり、くるくるドライヤーで、ストレートブローをしっかりしてあげた。

そして、暫く休んだら、看護師さんが、おでこに何かのモニターを貼り付けに来られた。これ、なんだろう?聞くのを忘れた。深部体温を測る装置なのかもしれない。

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この部屋は、4人部屋で、「光治療」を受けるための一室だそうだ。早朝、上にあるパネルから、光が出て覚醒を促すということ。

壁際の棚には、昨年クリスマスにサンタさんから届いた、愛読書の『Warriors』の新刊シリーズが並ぶ。

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勉強をしているのではなく、生活表に記入をしている。ここでは、ガンガン勉強するのはストレスに繋がり睡眠に影響すしかねないため奨励されてはいないようだ。

トイレの回数や食事をどのくらい食べたかなど、細かい報告が必要な模様。光を浴びるためにカーテンは開けっぱなしである。

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ほどなく看護師さんから、そろそろ帰るように促され病院を後にした。今後、面会時も病室へは入れないらしい。

 

帰り際に、

 

「一日一回は、公衆電話から電話で体調教えてな!」

 

と言い残したものの、現在まで2日間、娘からの連絡はない。

 

「便りの無いのは良い便り」であればいいのだが、慣れないことばかりで周りのペースに病気の身体がついていかず、辛い思いを抱え一人で我慢しているのではないかと、夜となく昼となく遠く離れた娘に思いを馳せている。

 

 

 

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  • id:kanon139

    まるさま

    初めまして! 昨年3月にブログを始めて1年が経とうとしています。ずっと通して読んで頂くことで、初期の頃からの私の心理の変化がよくわかっていただけたのではないのでしょうか。自身としましては、あの頃の身を切られるような無念さと怒りが蘇るためほとんど読み返していないのですよ。多分、まるさんみたいに寝られなくなりそうですから(^.^)
    某芦屋国際中学校を検索されたと言うことは、受験されるご予定でしょうか?娘はやむなく地元公立中学に進みましたが、英語に関してはそれは凶と出ました。入院前まで書いていた「公立中学校での英語授業シリーズ」ですが、あれはまだ序章なのです。持ちあげて落とすといういつものパターンがもうすぐ展開されますので、是非お読みくださいね。英語の早期教育に対しての英語教育者の反応は、好感を持つ人と、そうでない人にはっきりわかれます。後者に当たってしまえば、子供はその時間、英語の翼をもがれた天使のような存在になってしまうのです( ノД`)
    共感して怒りを感じて下さって大変励まされました。またお越しくださいね♬

  • id:kanon139

    ちゃーちゃん様

    いつも、詳しい情報を投稿して頂き感謝いたします♬ ブラッドパッチ後間もなく睡眠障害治療に踏み出したことは、同じ脳脊髄液減少症の患者さんからの賛否両論があると覚悟していたのですが、理性派のちゃーちゃん様の娘様も同じようなプログラムをされていたということで、内心かなりほっとしております。
    髄液の漏れが止まったかどうかが定かでない上に、睡眠障害以外は元気な子供達の中でのチャレンジで娘の負担も大きいと思います。未だに連絡がないため、本当に心配ですが、娘の意志を尊重してこちらからは連絡はしていません。
    今でも娘様、頭痛が出る事があるのは、Sさんの娘さんとは違った回復曲線となっているのですね。同じ睡眠障害を持った子供でも予後の差は大きく脳の病気の複雑さを感じます。
    踏み台昇降は、地味な感じですね…病院にあった前に進めない自転車のトレーニングは
    ちょっとやってみたい気になるだろうと思います。競輪選手のように太ももだけたくましくなりそうですね(^^)

  • id:kanon139

    Clara Fan様

    能力をハイレベルで極めるために必要なのが「過集中」なのだと思います。どんな人でも、娘が幼少時に英語本へ示したような集中の時間をこなせば、何かを極めることが可能だと思います。
    そんな過集中を思春期から大人になっても続け、そこに創造性を加味できるは、人類に貢献する発見や発明をするのでしょう。娘は、既に本から音楽にシフトしているため、そういう天才の人達とは根本的に違っているフツーの人だと思いますよ(^^)
    病気になって活字が読めなくなっていなければ、今でももっともっと読んでいて、私もワクワクしながら本を探していたと思いますが…(-_-;)

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