社会 / SOCIETY
“ピンチはチャンス”――巻き返しを図る新興企業「ジェイグループ」
公開日時:2020-02-19
急速に成長し頂点を極めた企業が、その後、売り上げが低迷する――決して珍しいことではない。その要因のひとつとして「時代の変化に追いつけなかった」と、ある経済アナリストは指摘する。ここにそんな企業がある。だが、この会社はいま高々と“復活”への狼煙を上げた――。
(株)ジェイコメス・ジャパン(東京都中央区銀座 菅原淳司代表)という会社がある。化粧品をはじめ健康食品および健康グッズなどを販売している会社だ。
取扱品目は45品目もあり多岐にわたるが、その中心品目は植物性幹細胞を配合した美容ミスト「ウルティマミスト」と高濃度バナジウム配合「Jウォータープレミアム」。
こう述べても、この社名・商品は一般には余り浸透していないのが正直なところだ。というのは、同社は商品を会員制で販売しているからだ。優れた商品を提供すれば、おのずと会員は集まる。
同社は創業から数年間で参加者数(会員)が凄まじい勢いで増え急成長をみた。言わば時代の寵児“隠れた成長企業”のひとつに登りつめた。
だが、出る杭は打たれるのが世の常だ。誰が流したのか、同社の会員制販売というビジネスモデルに対するフェイクな非難・中傷。それに引きずられて揺れる1部会員の心情――その後、一転して売上げが低迷する。創業以来9年目の初めての経験である。
菅原代表は会社の“現実”について「これまでは勢い、運だけできました」と冷静に分析し、次のように反省の弁を吐露する。
「創業当初は勢いに乗り、集客だけの目的で事業展開をしてきた感があります。参加者の数に圧倒されるほどでした。しかし時代は急速に変わりました。金融危機、法律の改正などの変化に追いつけなかったのです。
会社の売上げ、収入に魅力だけを感じて集まる組織は極めて脆く、会社存続にならないと改めて気づかされました」
間違いなく時代は変化する。それに伴い事業の業態、消費者のニーズも変わっていく。それは小売業界を振り返ると一目りょう然だ。スーパーの衰退に代わりコンビニの台頭、そしていまSNSなどによる販売が席巻している。
付言すれば事業は山あり谷ありで、いつまでも成長を続けている企業などは皆無に近い。急成長のつかぬ間、消えていった企業も少なくない。
売り上げの低迷といっても、同社の場合これまで培った“ファン”が多い。これは同社の大きな“財産”だ。
「会社を信頼してくださるメンバーの応援を頂きながら、今以上の会社になると一緒に夢を実現できると確信しております。真にお客様が喜ぶ商品を提供し、これまで以上にお客様を大事にする会社にします」
と決意を表明する菅原代表。
“道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である”――経済活動に人を騙さない、貶めない、といった道徳観念が不可欠だという二宮尊徳のこの言葉が、菅原代表の先の決意とが共鳴する。
低迷は成長の準備期間である。その反転の第1弾として新年が明けた1月22日にジェイコスメの親会社である(株)ジェイグループ(菅原代表)は、韓国のマイコンマ社と業務提携を締結した。マイコンマ社は88か国の言語と200か国で使えるSNSを運営している会社だ。いまやボーダレスの時代。マイコンマ社との業務提携で、ジェイグループの商品は世界に広がる。
こうした取り組みを踏まえ菅原代表は、
「今年は東京オリンピックが開催され、世界中の人々が日本を注目し日本に集まってきます。巻き返しを図りたい。必ず事業を成功させV字回復させる」
と明言して「これからが本当のビジネス」と力強く宣言する。
まさにピンチはチャンス、ジェイグループの今後の動向を注視したい。
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