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この作品 「合宿 【初日】」 は「ドラッグ王子とマトリ姫」「スタンドマイヒーローズ」等のタグがつけられた作品です。

これまで書いた作品に沢山の好意的な反応を下さりありがとうございました。前作【この...

350

合宿 【初日】

350

2018年5月17日 19:00
これまで書いた作品に沢山の好意的な反応を下さりありがとうございました。

前作【この距離を】で煮詰まった時、気晴らしに書いてた副産物です。
書きかけだけどまた長くなってきたので、少しずつアップします。
皆様の軽い暇つぶしになればいいなと。

書きたかった事
●変態(変人?)全開の由井さん
●体育会系(本来ならそうだと思う)の捜査一課にしごかれる玲ちゃん

注!
ねつ造だらけ。ネタバレ配慮なし。個人的趣味一色。玲ちゃんは誰とも付き合ってません。
警視庁本部庁舎内の事は聞きかじったものがほとんどで確証ありません。某県警と同じ雰囲気で書いたけど多分違うんだろなと。
護身術とか柔道とか実際やってましたが、経験の範囲内で適当に書いてるので軽く流して下さいませ・・・
合宿初日


捜査企画課

朝8:30



「泉。すぐに出れるか?」

「はいっ!?」

会議室から戻った関の後ろには、捜査一課の大魔王:服部がゆらりと立ちはだかっていた。

「いきなりで悪いが、今日から暫く捜査一課に出向してもらう事になったよ。詳しい説明は服部さんがするからすぐ支度してくれ」
「へぁ?」

・・・出向???

唐突過ぎておかしな声しか出ない玲の前を横切り、玲のデスク脇にあったバッグを掴みながら服部は部屋の男達に告げる。

「マトリちゃん当分の間こっちでお預かりだけど、表向きはマトリにいる事にしててね~。荷物コレ?じゃ行くよ」
「え??ぁ??」

むんずと服部の大きな手に掴まれ、状況が飲み込めないまま連行されて行く(に等しい)玲は、辛うじてドアをくぐる時に振り返り、唖然としたマトリの一同と、困ったように微笑む関の顔をチラリとだけ見ることができた。



エレベータに乗り込んでも放してもらえない手のせいで、自然と密着せざるをえない隣の大きな男は、横目で盗み見る限りボンヤリと空を見つめて普段と変わりない様子。
しかし合同捜査でもないのに、なぜ捜査一課に連れて行かれるのか。
マトリの仕事・・だとしても自分1人が引っ張られるはずはないし、スタンド案件か、体質絡みか・・・大魔王直々のお出迎えは身に余る光栄・・というよりは、むしろ
・・・(逃げ出したい)
とにかく得体のしれない事態に、玲は怯えて混乱していた。
手を掴んでいるのが、かの大魔王だからだ。
大きな手は温かいが手を繋いでいるわけではなく手首を掴まれていて、わかるのは逃げようがないと言う事。


「もーのすっごいドキドキしてるねぇ」

「?!」

横を見上げると、薄ら笑ってい(るように見え)た服部が、視線をチラ・・と玲に寄越した。

「心拍が全力疾走並」

「!?」

捕まれた手首から脈を計られているとは思いもよらず、玲はビクッと体を強張らせた。

「そう怯えなさんな。狙ってる組織がいるから、マトリちゃんは服部班で保護する事になったよ」
「・・・は・・い・・・?」
「と言っても、手が空いた誰かにくっついてお勉強兼警護って感じだから、合宿みたいなもんだと思って」
「・・?? お勉強ですか?」
「鍛えてあげるから、これを機にちゃんと護身を学びんさい。それともずっと足引っ張って守られるだけのお姫様でいる気?」
「!!! いえ! 宜しくお願いします」
「暫くお家とマトリは近づけないからよろしくどーぞ」
「!!・・・そうなんですか?」
「いつもいる所うろついてたら、どーぞ攫って下さいって言ってるようなものじゃない?」
「そう・・ですね・・・」


玲の心拍が更に上がったのがわかったのだろう。
喉の奥でクツクツと笑う服部は、車の助手席のドアを開けて初めて玲の手首を解放した。

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