
アップルが準備中と噂される廉価モデルのiPhone SE2(ないしiPhone 9。ともに仮称)は、果たしていつ発売されるのか。その時期については様々な説が報じられていますが、Bloombergは「約400ドルで、3月に発売する予定」との観測を伝えています。Bloombergによれば、アップルが「新しい低価格のiPhone」(いわゆるiPhone SE2)を約400ドルで発売する準備を進めているとのことです。さらに問題に精通している人物の話として、このモデルは3月に発売される予定だが、計画はまだ流動的であるとも伝えています。
それと合わせて、2020年前半には「新しいカメラシステム」を搭載した新型iPad Proを準備しているとのこと。こちらは先日、
台湾DigiTimesが報道した噂と一致しています。
ただしBoombergいわく、これらの生産計画(iPhone SE2や新型iPad Pro)はウイルスにより、遅延や制約が課される可能性があるとしています。
一方、Nikkei Asian Review(以下「日経」)も同様の話題を報道していますが、上記でいう「計画はまだ流動的」の部分をより詳しく述べています。記事によれば、まずアップルは元々2月にiPhone 9(iPhone SE2)の量産を開始する予定だったが、3月のどこかの時点までずれ込む可能性があるとのことです。そして「複数の情報源」を元にしたとして、現時点で最初の生産スケジュールを維持するのは「非常に難しい」と伝えています。
アップルは新型コロナウイルスの感染拡大により、iPhoneの供給が一時的に制限されていると
公式に発表したばかりです。別方面(DigiTimes)からはiPhone SE2は台湾に生産拠点を移して準備は順調との観測が
報じられていましたが、拠点の切り替えそのものに時間を要するとも推測され、やはり遅延は免れにくいのかもしれません。
そうした苦境のなか、サプライヤーは4週間以内にiPhone廉価モデルを生産および出荷しようと最善を尽くしているとのことです。あまりに時期を遅らせることはできず、さもなくば今年後半におけるアップル新製品の販売戦略に影響を与えるだろうとの事情通の話も伝えられています。
総じてアップルのサプライヤーは生産能力の30~40%で稼働しており、それは「物流輸送の労働力不足」という生産側ではいかんともし難い制約によるとされており、iPhoneの供給不足も4月に及ぶ可能性があるとも示唆されています。
さらに日経によれば、アップルは2020年前半に1500万台の廉価モデル(iPhone SE2)生産をサプライヤーに発注していたとのことです。それに耐えうる生産ラインを用意しているとすれば、生産開始が遅れたとしても、3月末までにある程度の台数は確保できるとも思われます。
これらBloombergや日経報道を総合すると、もしもiPhone SE2が3月内、あるいは
4月3日に発売されたとしても、当初はかなりの品薄が予想されます。
iPhone SE2は、iPhone 8をベースにホームボタン内蔵のTouch IDなどを受け継ぎつつ、iPhone 11シリーズと同じA13プロセッサを搭載されるとの噂が主流となっています。そうして「最新性能を安価に提供」することで中国やインドをはじめ新興市場でのシェアを拡大し、Apple Arcadeなどサービス事業の裾野を広げることが狙いとみられています。
さらにいえば、新型コロナウイルスの感染を防ぐためマスク着用が定着している中国では、マスクを取らずに指で認証できるTouch IDが大人気になるとも思われます。それだけに、もしも発売当初に十分な台数を準備できないとすれば、アップルにとっては手痛い機会損失になるかもしれません。