フィギュアスケート男子で昨年12月のジュニア・グランプリ(GP)ファイナルを制した佐藤駿(16)=埼玉栄高=が18日、埼玉県上尾市の埼玉アイスアリーナで練習を公開。2022年の北京冬季五輪を見据えて来季からのシニア転向を表明すると、来月4日開幕の世界ジュニア選手権(エストニア)に向けて「優勝したいと思うけど、狙っていかずに自分の演技に集中して頑張りたい」と抱負を語った。
世界ジュニアで優勝すれば日本男子では15年の宇野昌磨以来6人目で、ジュニアGPファイナルとの2冠は小塚崇彦、羽生結弦、宇野に続く4人目。佐藤にとって最初で最後の出場は、羽生がシニア主要4大会を含む6冠を男子で初めて達成した「スーパースラム」への“挑戦権”を手にできるチャンスだ。ただ「スーパースラム? それはちょっと初めて聞いたので…」とどこ吹く風。それでも同じ仙台出身の先輩に続きたい。
ライバルにも刺激を受けた。ともに世界ジュニアに出場する鍵山優真(16)=神奈川・星槎国際高横浜=が羽生が優勝した今月の四大陸選手権で銅メダル。試合後にお互いに連絡を取り合い「世界ジュニア、頑張ろうね」と、大舞台での活躍を誓い合ったという。
この日は武器となるトーループとルッツの4回転を成功するなど約1時間、ジャンプを中心に練習した。今月行われたシニアの国際大会ババリアン・オープン(ドイツ)で優勝した新鋭は「体調も良く、コンディションもいい。世界ジュニアを取って、いい形でシニアに上がりたい」。歴史に名を残して北京五輪を目指す。