中日のドラフト2位・橋本侑樹投手(22)=大商大=が18日、沖縄・北谷球場で初めてフリー打撃に登板。打撃投手としてビシエドや福田らと“対戦”すると、結果は42球でヒット性は6本だった。動く真っすぐに加えて、指の短さから編み出したという「チェーク」を披露すると、野手陣らは目を丸くして絶賛した。
打席で橋本の速球を見たビシエドがゲージ裏の首脳陣に問いかけた。「今のは真っすぐなのか?」。答えは真っすぐ。「動いていた。ちょっと打ちづらかった」。詰まらされ、首をかしげた。
武田、井領、福田、ビシエドを相手に投げた。初の打撃投手が第4クールになったのは、ケガを避けたい首脳陣の配慮。一方、橋本にとってはようやくやってきたアピールの場だ。持ち球のスライダーに加えて自ら編み出した決め球も投げた。
「フォークいきます」と宣言した決め球は、苦肉の策から生まれた。橋本の指は短い。大商大2年秋に「落ちる球がほしい」と思ってボールを挟んだ。でも、挟みきれず制球は安定しない。本来なら使わない薬指、小指を伸ばしてみた。わしづかみに近い握りにして完成させた新球だ。「使えるな、と思いました」。4年秋には京産大を相手にノーヒットノーランを達成。「フォーク」とは言っているが、チェンジアップの要素もある、いわば「チェーク」で上位指名を勝ち取った。
「フォークは落差が大きいです。幅は大野(雄)よりも大きい。真っすぐはインコースにカット気味に来てゴロを打たされました」と語ったのは福田だ。橋本は球種を伝えてから投げた。なのに昨季チームトップタイ18本塁打コンビのビシエド、福田は苦しんでいた。この日は自己最速の149キロから10キロ以上遅い138キロだったが、与田監督も高評価。「非常に角度のいい、力のあるボールが多かった」と納得の表情を浮かべた。