恐怖!田舎暮らしは「地獄の沙汰もカネ次第」

場所によってはこんなにヤバい「お金の話」

高藤さんは、引っ越し後もようやく軌道に乗り始めた農業を続けようと思っていたが、手のひらを返したように一変した空気から、農業から離職し、佐久市内で電気会社に再就職することになった。

「集落では1人が言い出すと、全員が自分の意思に関係なくそっちに流されますから、昨日までの友も今日の敵で、もうダメなんですね。理屈じゃないんです。たとえ理不尽な言いがかりであっても、言われたら最後、うわさを立てられたら最後、なんです」

それに、と高藤さんは言う。

「僕らは都会にはない豊かさを求めて地方に移住する。でも、移住先が求めているのは決して人口が増えることではない。結局は金、なんですね」

土地柄もあっただろうが、とにかく金絡みの損得勘定の始末にはうるさかった。仕事から帰ってくれば、玄関前には収穫物のおすそ分けが置かれていたりする。

「白菜ひとつとっても、野菜に名前が書いてあるわけじゃないから、その日のうちに誰が置いていってくれたのかを大捜索して、その後は菓子折を買ってお礼参りですよ。そんなときも、明らかにもらったものよりも上乗せしたものを持っていかないといけないわけです。下手に野菜だとかおすそ分けなんかもらうと、そのお返しばかりでもう大変な出費でした」

田舎の返礼はもらったものの「倍返し」が基本になる。さらに、である。子どもの七五三に入学式なども、始末が悪い。

「自分の子どものお下がりだなんだと、いろいろと寄こしてくるのですが、着物なんかだと、クリーニング代だけで2万円近くいきます。アマゾンで買ったほうがよっぽど安上がりなんですよ。でも、拒んだら、一瞬にして悪いうわさが立ちますから……。もうね、最後のほうは半ば強迫観念ですよね。とにかく何かあげなきゃ、貢がなきゃ何を言われるかわからない。無視されるかもしれない。どんな局面で意趣返しされるかわからないっていう……」

時期によっては、毎月の収入の3分の2が、こうした“交際費”で霧消したという。

お金がなくても幸せな人は、実家が農家

高藤さんは続ける。

「とにかく、生活費は高くつきますよ。集落の人間関係をうまくやろうとすればするほど、最後は金の話にゆきつくんです」

どういうことか─―。

次ページ皆が助け合って和気あいあい…ではなかった
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナウイルスの恐怖
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • 財新
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
113

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
  • NO NAME5b499348da01
    住んでみて初めて分かるのだろうが、田舎は早く滅びたほうがいい。お互いが協力できる土壌がある所ならともかく、それ以外は住まない方が身のためです。
    up382
    down69
    2018/8/16 10:24
  • NO NAME53c93764e6db
    冷静に考えてみて下さい。多少の人の入れ替わりはあるにせよ、村=コミュニティそのものは、少なくとも江戸時代には確立されていて300年を超えるような長い歴史があります。そこに都会から入ってコミュニティの一員として遇されるなんて簡単にできるわけありません。

    田舎に住むのなら、事例にもあるように転勤族の方が住んでいるところや別荘地にする方が無難です。地縁、血縁もなく田舎に住むということ自体が本来、無謀なことなのです。
    up309
    down28
    2018/8/16 10:16
  • NO NAME845198125283
    田舎って言ってもほどほど開かれたところじゃないと。人間関係の閉そく感がありすぎるのだろう。
    わざわざ閉ざされたコミュニティに入っていってしまう無神経さとか無謀さのほうが怖い。
    up308
    down53
    2018/8/16 08:42
  • すべてのコメントを読む
トレンドウォッチAD
船・港――海の経済学<br>ニッポンの生命線が危ない

環境規制の強化によって、日本の海運会社は大きな投資を迫られています。中韓に敗れた日本の造船業界はさらなる再編が不可避に。日本の港湾の競争力低下も止まりません。「海をめぐるグローバル競争」の最前線を掘り下げます。