拡大する写真・図版岩田健太郎・神戸大教授が公開した動画。大型クルーズ船のダイヤモンド・プリンセス号内に入った感想を語っている=ユーチューブから

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 新型コロナウイルスの感染が広がった大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号について、感染症が専門の岩田健太郎・神戸大教授が18日夜、船内の感染対策を「悲惨な状態」と指摘する動画をユーチューブに公開した。再生回数は英語版と合わせ半日で50万回を超え、波紋を広げている。

 動画によると、岩田さんは18日に災害派遣医療チーム(DMAT)として初めて乗船。「私個人の見解」と断った上で、ウイルスがない安全な区域とそうでない区域の区別が十分できていない点などを挙げた。「どこにウイルスがいるかわからない状態」と指摘し、「ものすごい悲惨な状態で、心の底からこわいと思いました」と述べた。

 感染が確認された乗員乗客は18日までに542人。感染者が増え続けたことに、海外からも対策の不備を指摘する声があがっていた。岩田さんの指摘に厚生労働省幹部は「病院のように区域を区別するよう作られた建物とは異なり、船の中では構造的な限界がある。その中でも時間を区分して感染者と非感染者が交わらないように適切に対応している」などと反論している。

拡大する写真・図版新型コロナウイルスの感染拡大が続くクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号=2020年2月18日午前、横浜港・大黒ふ頭、朝日新聞社ヘリから、迫和義撮影

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