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楽天の反抗はまだ序章…「日本の公取」が世界中からナメられる理由

本当の悪夢はこれから

「反省はするが、方針は変えない」

和製プラットフォーマー大手の楽天が3月から通販サイト「楽天市場」<3980円以上購入した利用者への送料を出店者負担で無料にする>という方針を打ち出していることを巡り、公正取引委員会は2月10日、独占禁止法違反(優越的地位の濫用)容疑で立ち入り検査に踏み切った。

公取の立ち入りには、送料無料化に事実上待ったをかける狙いがあったのだろうが、楽天の三木谷浩史会長兼社長は3日後の2月13日に開いた決算記者会見の席で、「反省はするが、方針は変えない」と強調。公取との対決を辞さない構えを見せている。

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簡単に言えば、公取は楽天に舐められている。その背景には、公取が長年、“吠えない番犬”と揶揄されながら、2006年に導入した不正を自ら申告した企業が課徴金を減免される「リニエンシー制度」で容易に摘発できる談合事件にばかりかまけて、本格的な独占の弊害排除を怠ってきたことが影を落としている。

こうした中で、安倍政権は大規模なEC(電子商取引)サイトやアプリ市場を運営している内外の大手プラットフォーマーを念頭に「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法案(仮称)」を今国会に提出する方針だ。

 

果たして、新法は弱体の公取の能力を補い、巨大プラットフォーマーが取引先や消費者を食い物にすることを規制できるのか

今週は新法への期待と課題を考えてみよう。そこでまず、「楽天市場の送料負担問題」をおさらいする。