先日、「男だって革靴は痛いんだよ!」というエントリが話題になっていたけれども、普段から革靴を履かない人達が色々と勘違いしている事が多いようなので、一言書いておきたい。自分は、以前お客さん相手の仕事をしていて、自宅にお邪魔する場合も稀にあるようなスーツの仕事をしていた。元々革靴は好きなので、今でも革靴は少々こだわりを持って毎日履いている。
まず言っておきたいのは、「革靴が痛い」、という人は何かが間違っている。本来、足に馴染んだ革靴はもはや体の一部と言っていいほど履いていて気持ち良いものだ。だから一生モノとして靴底を交換しながら同じ革靴を長く履く人も多い。もし、革靴を履いて痛い、という場合は、単にサイズが合っていないか、安物の変な革を使った靴だったりしているだけである。ヒールの高さだって1cmから色々あるし、多少ヒールがあった方が姿勢が良くなる(ただ3cmは高め)。
ここで、良い革靴とは~、とかウンチクを始めると、普段革靴を履かない人達から煙たがられるだろうから、注意するポイントだけ。
1.革は生きているので、良い革をメンテして育てるべし。クリームなども塗らずに乾燥して固くなった状態のまま履くといった事は論外(普段革靴を履かない人達がやりがち)。
2.革の種類に注意すべし。カーフやキップの革は高品質かつとても柔らかいのでおススメ。少なくとも銀付きの牛革である事を確認。樹脂加工(ガラスレザー)の革はダメ。
大体、「革靴が痛い」という人達はどんな革靴を履いているのだろうか。1,2万円前後の革靴は90%ほぼダメと言っても良いだろう。リーガルの革靴でさえその価格帯はガラスレザーのテカテカでゴツゴツの革が殆どだ。ガラス加工がしてある革は安くてメンテフリーで雨に濡れようが泥を被ろうが全部はじいてしまうが、クリームやワックスも全部もはじく。このガラス加工した革は馴染むというより皺皺になる、という感じだ。しばらくは血マメを覚悟しろ、というレベル。
本来は、スコッチグレインやクロケット&ジョーンズなどの良い革靴が欲しい所なのだけど、普通に5万~10万円する。かと言って、ペラペラの薄い革を使った中国製の靴も直ぐにダメになってしまう。なので、高過ぎず安過ぎずの価格帯で、良い革を使った靴を探すのは根気とコツがいる。しかしその段階を過ぎれば、良い革靴を一発で見分ける事ができるようになる。革靴は奥が深いのである。
因みに、高価格帯のヨーロッパ製の靴は革底の事が多いけれど、ヨーロッパの石畳の道と室内のフローリングや絨毯の上でも歩くあちらと違って、室内で靴を脱ぐ日本ではさすがにレザーソールはそぐわないと思う。メンテも大変だし。かといってスニーカーのような靴底はダサすぎる。自分は一時、マメリカに住んでいたので室内でも革靴を履きたい。今も革靴は室内に持ち込んで保管している。ただ、アメリカは昔から道が悪かったからブーツが発達して、レッドウィングとかのブーツとか、ナイキとかのスニーカー文化であって、アメリカの習慣はあまり参考にはならない。ただ、革靴モドキのウォーキングシューズなんて中途半端な靴はダサすぎ。
履きこんだ革靴で鈍く黒光りしていて良くメンテされている靴を履いている人を見ると、一目も二目も置いてしまう。逆に、安っぽい靴を雑に履いている人を見ると即興味を無くす(というか見てはいけないものを見てしまったというか)。先のとんがったダサい靴を履いた若い男を見るとオレオレ詐欺でもされないかと警戒する(または何も分かってないイキがった奴あつかい)。
あと、革靴以前の話しデブはダメだ。以前、体重が増えた時に靴のサイズも1cm以上大きくなってしまった。これだと身長と靴の長さのバランスが悪く、見た目が間抜けになっていまうし、靴も横にガバっと広がりつま先がやたらスカスカになる。体重管理は基本中の基本。日本人はただでさえ頭がデカくて短足なんだから。そもそも、日本人はスーツもサイズに合ってないのを着過ぎ。元々肩幅が狭い日本人にはスーツ自体が似合わない人が多い。なで肩ひょろひょろが貧相に着てるか、デブがピチピチ状態で着ているのは自分で情けなくないのだろうか。逆V字の人が着るとカッコイイのだが・・・。というか日本人は歩き方からしてダメ。特に踏ん反り返ったガニ股のオヤジども。絶滅しろ。恥を知れ。お前ら猿か。
話しが逸れた。ともかく、痛いからと言って、ウォーキングシューズモドキのダサい革靴なんか履くな。本物履け。
福野礼一郎「革が生きてるわけねーだろ」