
アメリカ、Sanho Corporation社のブランドであるHYPERは、USBハブやケーブル等の周辺機器メーカーで知られています。その中でも電源系製品の「HyperJuiceシリーズ」は特に有名な製品です。その最新モデルが、GaN(窒化ガリウム)を採用した高出力100Wの小型USB ACアダプタ「HyperJuice 100W GaN USB-C Charger」です。
HyperJuice 100W GaN USB-C Chargerは2019年11月にKickstarterとIndiegogoでクラウドファンディングが開始されると、すぐに目標額をクリアし、最終的には希望額を遥かに超える金額で終了しました。初期ロットは予定どおり2020年の1月に出荷され、その内の1個が手元に届いたので早速使ってみました。
▲Kickstarterの該当画面。公開されてすぐに目標額に達しました。日本でもMakuakeでプロジェクトが進められています
▲シンプルな紙箱パッケージ。自分の荷物は香港を出てから、なぜかスェーデンを経由して手元に届きましたUSB規格混在時代の救世主
昨今のUSB Type-Cの普及に伴い、対応機器も増えてきたので積極的に入れ替えています。スマートフォンやタブレット、PCにモバイルバッテリー、このあたりはUSB Type-Cになりました。お陰でケーブル類も共有できるようになり、荷物が減って助かっています。同時にUSB PD(Power Delivery)に対応した機器も増えてきて、高電圧での高速充電が可能になりました。USB PDは使い始めるともうそれ以外は使いたくなくなるほど快適です。
ですが、問題になるのはUSB ACアダプタです。USB Type-Cであれば大半は使えるのですが、そうも行かないのがUSB PDによるパワールール。5Vから20Vまでの間でいくつかの電圧と電流の設定があり、最適な設定で接続できないと高速充電ができません。
一番容量の大きいMacBook Pro 16インチ用の96Wタイプを持っていけば、大半の機器で使い回せますが、出力ポートは USB Type-Cが1つだけ。MacBook Pro側に4ポート(1つは電源供給として使用)あるのでそれらに繋ぐという手もありますが、流石にスマートではありません。そういった電源事情をスマートに解決してくれるのがHyperJuice 100W GaN USB-C Chargerです。
85.3×60.8×28.9(mm)というクラス最小のサイズで、USB Type-CとType-Aをそれぞれ2ポート装備しています。USB Type-C側はUSB PD 3.0に対応して合計で最大100W。USB Type-A側はQuick Charge 3.0に対応して合計で最大18Wと、クラス最大級の出力です。これだけあれば、一般的な周辺機器はほぼ全て対応できるでしょう。
▲USB Type-CとType-Aを各2ポート装備。恐らく現在最もバランスの良いポート構成だと思います。一番上は通電時に発光するLEDインジケータです
▲USB Type-C側でPD 3.0規格で、5V/3A, 9V/3A, 12V/3A, 15V/3A, 20V/5Aと文句なしのほぼフル対応。USB Type-A側はQC 3.0規格で、5V/3A, 9V/2A, 12V/1.5A
▲Apple 96W ACアダプタとの比較。厚み以外ではHyperJuice 100W GaN USB-C Chargerが小さくまとまっています
▲注目すべきはその重量。サイズ差に対して重量は30%以上も軽量です。実際に持つとかなりの違いが感じられますUSB Type-Cで100Wというのはかなりのものです。試しにMacBook Pro 16インチと13インチを同時に接続して使って見ましたが、MacBook Pro側にある程度のバッテリー残量があれば、2台に対して難なく供給できました。本体がスリープ状態ならば、バッテリー残量がほぼ無くてもちゃんと満充電可能です。また、USB Type-A側は別回路なので、USB Type-Cの電力を気にせず給電されるのは助かります。
GaNのせいか、フルパワー供給の状態でも発熱は穏やかで、ケースが触れないくらい熱くなるような事はありませんでした。
