近鉄「鮮魚列車」3月終了 伊勢志摩と関西結び半世紀

関西
社会・くらし
2020/2/18 9:36

近畿日本鉄道が1963年から続けてきた、国内で唯一現存する行商人専用の「鮮魚列車」が、ダイヤ改正に伴い3月13日で運行を終えることになった。三重県の伊勢志摩地方で水揚げされた新鮮な海産物を運び、半世紀以上にわたり関西の食を支えてきた。

近鉄によると、宇治山田(三重県伊勢市)から大阪上本町(大阪市天王寺区)までの約137キロを、日曜と祝日を除き毎朝1本を3両編成で運行させている。最盛期には1日当たり100人を超える行商人が乗り込み、伊勢エビやアワビなどを運んだ。

だが、高速道路の整備が進んで運搬手段の主流がトラックに移ったため、近年は毎日10人程度の利用にとどまっていた。

近鉄は車両の老朽化や経費削減の必要性を踏まえ、終了を決めた。行商人らはダイヤ改正が行われる来月14日以降、松阪(三重県松阪市)まで車などで海産物を運び、同駅を早朝に出発する大阪上本町行き急行列車に代替措置で連結される専用車両1両を利用する。〔共同〕

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