★17日、首相・安倍晋三は衆議院予算委員会の集中審議の冒頭で「2月12日の質疑の中で、辻元委員に対し質疑終了後、不規則な発言をしたことをおわびする。今後、閣僚席からの不規則発言は厳に慎むよう、総理大臣として身を処してまいる」と原稿を朗読し、最後に頭を下げた。これが韓国にいつまで謝ればいいのか、みっともない憲法などと発言してきた首相の謝罪の仕方だ。謙虚さのかけらもなく相手に反省の気持ちが伝わらない典型。日本の新型コロナウイルス対応を評した米国メディア流にいえば「『こうしてはいけない』と教科書に載る見本だ」。

★立憲民主党税調会長・海江田万里は15日、ホームページの「庚子雑記」に「最近、日本語の乱れが気になります。昨日の衆議院財務金融委員会の質疑の中で、自民党議員は『私の肌感覚では…』と発言しましたが、それを言うなら『皮膚感覚』です。そう言えば前日の立憲民主党の勉強会で、講師から有意義な話を聞いて、主催者がお礼を述べる場面で『またお呼びします』と発言。これは上から目線です。『またお招きします』が適切でしょう。テレビで新型コロナウイルスのニュースを見ていたら、新たな感染者が出た横浜市(と思いますが)の担当者が記者会見で『発熱した患者は一旦カイネツ』と言ったのを聞き、我が耳を疑いました。画面の字幕を見ると『解熱』。『げねつ』が読めないようでは、会見内容の信憑性が疑われます」と記した。

★連日さまざまなニュースや出来事に追われ、言葉がおろそかになっている。目くじらを立てたいわけではないが、海江田の指摘は傾聴すべきテーマだ。“閣僚なのに”漢字が読めないことは当初は政治面の囲み記事で扱われたが、もう誰も驚かないと記事にもならない。自戒を込めて言えば当の新聞が怪しげな言葉で校閲を悩ませている場合もある。国会は言論の府、美しい国を望むならば美しい言葉と態度が必要だ。(K)※敬称略