15歳で夜の新宿へ
小学校から高校まで、都内の一貫校に通っていた私。周囲の人は上昇志向が高く、高校一年から大学受験を意識する同級生が多かった。だが私は、「勉強していい大学に行かないと」「そのためには今はやりたくない勉強を頑張る」という周りの空気になじめずにいた。
高校の空気の居心地が悪く、授業はサボり気味。学外の友達とよく遊んでいた。外の世界をもっと知りたくて、高校1年の大晦日、友達と新宿・歌舞伎町に繰り出した。「高校生」という肩書を捨てて、ただの「お姉さん」として、バックグラウンドや肩書を気にせず接してくれる夜の人たちが好きになった。
高校で今やりたいことを我慢して、「やりたい研究や勉強はないけど、とりあえずいい大学に行った方がいい将来があるから」なんて言って勉強している学校の子たちよりも、「あのホストをナンバーワンにしたい」「貯金してお店を開きたい」という確固たる目標があって毎日を生きている夜の人たちの方が、当時の私にはキラキラして見えた。
当時の私は風俗の平均的な収入も、お客さんが払った金額のうち何割がお店に入るのかも知らなかった。けれど、漠然と「店のスタッフがウザイ」「イマイチ稼げない」などの愚痴を聞いていて、「女の子が働きやすい店を作ってみたいな」なんて漠然と考えていた。