【越山若水】住民間の社会的連携が最も弱い都道府県は福井県―。そんなショッキングなデータが公表された。「全国データ SDGsと日本」(NPO法人「人間の安全保障」フォーラム編、明石書店)で紹介されている▼既存の統計では表れにくい個人の主観的な評価を調べるため、インターネットによるアンケート(5450人が回答)を実施。自己充足度や不安、孤立・連携性について尋ねたところ、「孤独でつらい」「困ったときに相談する人が誰もいない」「人を助けたことはない」と回答した人の割合の平均値で、福井県は最下位になった。人のつながりの弱さが浮かび上がった▼とはいえ、平均寿命や失業率など「命」「生活」「尊厳」に関わる約90の指標を基にした客観的な総合指数でみると福井県は全国1位。これまでの幸福度調査と同じ好結果となった▼フォーラムは「客観的な統計データによる住みやすさとそこに生活する人の主観的要素が乖離(かいり)」と、福井について指摘している。これまでも幸福度ナンバーワンなのに実感がないとの住民の声は聞かれた。県の課題として受けとめたい▼昨年県内で、介護者が加害者となり高齢の家族が犠牲になる事件が相次いだ。介護などによる心労が募り、周囲に相談できなかったケースもあったようだ。悲劇を繰り返さないためにも、社会的連携を強め、孤立を防ぐ必要がある。
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