オウム高橋克也容疑者を逮捕 逃亡生活17年
地下鉄サリンなど関与の疑い

2012/6/15 11:19 (2012/6/15 13:14更新)

警視庁は15日、1995年に発生した地下鉄サリン事件や目黒公証役場事務長の監禁致死事件で特別手配していたオウム真理教元幹部、高橋克也容疑者(54)を殺人容疑などで逮捕した。

オウム真理教元信者の高橋克也容疑者の等身大パネルに、「逮捕」と書かれたシールを貼る蒲田署の副署長(15日、警視庁蒲田署)=共同

オウム真理教元信者の高橋克也容疑者の等身大パネルに、「逮捕」と書かれたシールを貼る蒲田署の副署長(15日、警視庁蒲田署)=共同

15日午前8時半ごろ、東京都大田区西蒲田の漫画喫茶から「似ている男がいる」という通報があり、捜査員が急行。同9時15分ごろ蒲田署に任意同行して本人と確認した。高橋容疑者は一連の事件について「幹部の指示でやりました」などと供述しているという。

オウム真理教の一連の事件では2011年12月31日、元教団幹部、平田信被告(47)が警視庁丸の内署に出頭、菊地直子容疑者(40)を今年6月3日に殺人容疑で逮捕しており、警察当局は一連の事件で手配されたすべての教団信者の身柄を拘束したことになる。

95年の教団への強制捜査から17年。190人が起訴され、13人が死刑、5人が無期懲役の判決を受けたオウム真理教事件の捜査が完全に終結する見通しになった。

捜査関係者によると、高橋容疑者は、地下鉄サリン事件では東京メトロ日比谷線でサリンを散布した元教団幹部、豊田亨死刑囚(44)の運転手役を務めたとされている。

目黒公証役場事務長の仮谷清志さん(当時68)の監禁致死事件では、井上嘉浩死刑囚(42)からの指示を受け、東京都品川区の路上で、他の信者2人とともに仮谷さんを拉致。薬物を投与されて眠っている仮谷さんを車で山梨県の旧上九一色村の教団施設内に運び込んだ疑いがある。

さらに駐車場経営者らを猛毒の「VXガス」で襲撃した事件や被害者の会の代表を標的にした事件、都庁に小包爆弾が届けられた事件にも関与したとされ、手配容疑とは別に4つの事件への関与が疑われている。

95年5月に警察庁は高橋容疑者を特別手配。10年9月以降、逮捕につながる有力な情報提供に最大1000万円の懸賞金がかけられていた。

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