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経済インサイド・特別編

 「保険ショップ」と呼ばれ、存在感を増す保険の乗り合い代理店。顧客にとっては、複数の会社の商品を比べ、自分に合ったものを選べるのが利点だ。ただ保険会社は代理店に様々な「報酬」を用意し、自社の商品を優先的に売ってもらおうとする。消費者軽視にもつながりかねないこうした行為を金融庁は問題視し、保険業界も代理店への過剰な優遇を自粛していた。ところがここへ来て、ある外資系生命保険会社の施策が波紋を広げている。業界で今、何が起きているのか。

拡大する写真・図版金融庁が入る庁舎=東京・霞が関

 2月10日、ある大手生保の本社ビル一室に、生保各社の担当者らが集まった。乗り合い代理店に対する販売ルールについて業界で議論する「代理店実務勉強会」と呼ばれる会合だ。複数の関係者によると、いつになく重苦しい雰囲気が漂っていたという。

 会合では、ある外資系生保がやり玉に挙げられた。医療保険がん保険でトップシェアを走るアフラック生命。同社が昨年、代理店向けに実施した研修旅行が問題視されたのだ。

シンガポールへ無償の「研修旅行」

 「ゴールドダッククラブ」。アフラックには、長年にわたってビジネスパートナーとなっている中核代理店をメンバーとする集いがある。「ダック」はアフラックを象徴するキャラクターだ。

 昨年、クラブメンバーを対象に3泊4日のシンガポールへの研修旅行が行われた。海外のフィンテック(金融とITを融合したサービス)企業の視察などが名目で、実際に企業見学や研修会も行われたという。ただ現地では観光もあり、飛行機代やホテル代などの費用は全額アフラックが負担したという。

 こうした無償の研修旅行は、代理店への、過剰な「ご褒美」ともいえるものではないのか。業界の申し合わせに反するのでは――。生保各社からは不満の声が上がった。

 改めて、乗り合い代理店の仕組…

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