「前線にて」


 占領したばかりの町。
 そのはずれの廃屋に、俺は向かっていた。気分はすこぶるいい。
 今日は軍事顧問としての役得を満喫できるのだ。犠牲者は、IDカードの顔写真しか見ていないが相当の上玉である。不安といえば、見張らせている現地人兵士たちが言いつけを破って先に味見を済ませていないか、ということぐらいだった。
 
 俺の懸念は、少しだけ当たっていた。
 性行為をするな、としか言っていなかったのがまずかったかもしれない。すでに手や口による奉仕を強要されたらしく、体の各所に粘液のしみが付けられている。小さな口元にも白い液体がこびりついていた。
 俺は現地人兵の隊長に平手打ちを加えると、彼らを部屋の隅に下がらせた。改めて捕虜を見つめる。
 年齢は18歳、これはIDカードから知ったことだが実際年齢相応に見える。肌は雪のように白く、綺麗な金髪は白いリボンでまとめて体の前に垂らしている。少し目尻の下がった大きな瞳は藍色で、顔立ちは端正で美しい。写真で見るより、さらにいい素材だ。身にまとっているのは灰色の軍服で、右腕にどくろの腕章がついている。治安警察所属だ。階級は中尉。
『あ、あなたは?』
 少女は、おずおずと俺に尋ねてきた。彼女の言葉は現地人たちには通じない。この場にいる中で、彼女の言葉がわかるのは俺だけだ。
『こ、こんなことは、ジュネーブ条約違反です。捕虜の虐待は禁止されています。』
『治安警察の構成員が笑わせるな。君たちが捕虜を虐待してることぐらい知っている。』
『わ、私はただの技術将校です。しかも徴兵されて無理矢理治安警察に回されたんです。私は拷問も、処刑も、いえ、戦ったことだってないんです。』
「顧問殿、こいつなんて言ってるんです?」
 現地人兵が口をはさんできた。俺は怒鳴りつけようかと思ったが、考えを変えた。少し意地悪をしてやろう。
「私をこんな風に扱ってただですむと思ってるのか、必ず仲間がおまえたちに報復する、それがいやならとっとと釈放しろ、だとさ。」
「このアマ、生意気言いやがって。少し痛い目に」
「後でな。まず、私が味見を済ませてからだ。」
 少女は、俺達のやりとりを不安そうに見つめていた。俺は、腰から拳銃を抜いて少女に向ける。
『ひっ…』
『ズボンと、下着を脱げ。』
『え?』
『死にたくないだろう?だったら言うことを聞け。』
『そんな…私に、何をするつもりなんです?』
『それがわからないわけでもあるまい?君の同僚がいつもやっていることさ。』
『待ってください、私はほんとに戦時法に違反するようなことは』
 俺は、銃口を現地人兵の隊長に向け変え、発砲した。弾丸は眉間を撃ち抜き、隊長は脳漿をまき散らして絶命する。現地人兵達の間にざわめきが走った。俺は彼等を叱咤する。
「騒ぐな!…彼は私の命令を正しく諸君に伝達しなかったから処刑した。私に先立って捕虜に手を出すなどもってのほかだ。諸君らの責任は問わないが、騒ぎ立てるものは反逆罪で処分する!」
「………!!」
 現地人兵達はあわてて直立不動の姿勢をとった。上出来だ。俺は少女に視線を移す。
『何を…なんてことを…』
『これが我々軍事顧問の権限だ。味方の兵士すら生かすも殺すも自由というわけさ。ましてや、治安警察の捕虜なんて…』
 少女は蒼白な表情になってふるえていたが、やがて観念したようだ。ズボンの金具に手をかけ、脱ぎ始める。これでいい。今殺した兵士の代わりなどいくらでもいるが、こんな美少女を陵辱できる機会など滅多にないのだから。せいぜい一ヶ月に一回巡ってくるかこないかだ。
 すでに少女はズボンを脱ぎ、パンティから片足を抜いたところだった。俺はそのパンティをつかみ、片足だけが通っている状態で太股のあたりまで引き上げる。俺の強引な動作に、バランスを崩した少女は仰向けに転倒した。俺はその彼女の両足をつかんで大きく開かせる。
『いやあっ!』
 少女はあわてて足を閉じた。俺は、その固く閉じた足の間に拳銃を差し入れる。
『ひゃうっ!?』
 鋼鉄の冷たさに、少女は奇妙な悲鳴を漏らした。俺は銃口を陰部に押し当てる。
『ここに一発撃ち込んでやろうか?護身用の小型拳銃だからな、楽には死ねんぞ。』
『…や、やめて、撃たないで…』
『じゃあ、抵抗しないことだな。』
『………』
 少女は足から力を抜いた。俺はその両足を大きく広げ、秘部を露呈させる。少女の秘部には恥毛がなく、なめらかな肉ひだの奥に淡い色の花弁がのぞいていた。
『無毛症か。珍しいな。』
『…やめて…見ないで…』
 涙ながらに懇願する少女を見て、俺の嗜虐心はさらに刺激された。肉ひだをかき分けると、その奥の綺麗な形をした花弁も強引にこじ開ける。尿道と膣口があらわになった。処女膜を持った膣口は狭く、指が一本通るか通らないかといったところだ。俺はすでに充血しきっている自分の性器を押し当てる。少女は固く瞼を閉じて顔を背けた。抵抗はしない。自分自身は残虐行為をしたことはないだろうが、こういうとき抵抗すれば殺されかねないということはわかっているようだ。俺はその少女を、一気に貫いた。

『うああああっ、ああ、あぐっ、やあああああっ!!』
 少女は臓腑を刃物でえぐられたような悲鳴をあげた。綺麗な顔を苦悶に歪め、両足をばたつかせて暴れる。しかし、そんな悲痛な仕草は俺の性欲をさらに刺激するだけだった。俺は激しく腰を動かして少女の肉体をむさぼる。狭い性器の締め付けによる若干の痛みと、それをはるかに越える快感。射精の衝動が這い上がってくるのにさほどの時間を要しなかった。俺は少女を深く貫くと、その細い体を抱きすくめる。
『…出すぞ』
『い、いや、やめて、待って、中は』
『中だの外だの心配する必要があると思ってるのか?』
『え?』
『俺は君を殺さないなんて一言もいってないはずだがな?』
『ひっ…』
 少女は恐怖に身を固くし、それにともなって膣もさらにきつくなった。俺はその少女の体内に射精する。
『え、やだ、やだああつ!』
 体内に精液の感触を感じた少女は俺の体をふりほどこうとした。しかし俺は放さず、最後の一滴まで流し込む。最近味わってない強烈な快感だった。やはり、相手を殺すことを前提とした性交は射精感も違う。

 処女の味を堪能した俺は、見張りをさせていた現地人兵5人に彼女を輪姦させてやった。兵士に余録を与えるのも指揮官のつとめだ。先ほどのでたらめな翻訳のせいか、彼らは手荒に少女を犯した。乳房をねじりあげ、肛門まで犯し、関節が外れそうなまでに足をこじ開ける。俺はその様子を見ながら、捕虜にしたとき没収したという彼女の所持品をチェックした。22口径の小型拳銃、放射線に関する数冊の専門書、パームトップコンピューター、そして、一振りのサーベル。
「治安警察の名誉刀か。」
 俺はサーベルの鞘を払い、数回振ってみた。バランスはいい。刀身にはチタン合金製との刻印がある。
 兵士達全員が少女を犯し終わるのを待って、俺は再び彼らを下がらせた。抜き身のサーベルを手に、床に転がされている少女の傍らに立つ。
『やっ…』
 サーベルを見て、少女は悲鳴をあげた。立ち上がって逃げ出そうとする。しかし、乱暴に犯された体は思い通りに動かないのだろう。立って二、三歩足を踏み出したところで無様に転倒する。両足は大きく開かれ、腫れあがった性器から精液が垂れ流しになっているのがよく見えた。俺は少女の背中を思い切り踏みつける。少女は苦痛に背をのけぞらせた。膣口と、さらに肛門からも精液があふれ出す。俺は兵士達に向き直った。
「斬首刑にする。すぐ用意しろ。」
 斬首は、最近ではありふれた処刑法だ。台の上に犠牲者をうつぶせに押さえつけ、垂直に剣を振り下ろして首をはねる。台は適当な高さと大きさがあれば何でもいい。幸い、この廃屋には小型のドラム缶があった。俺は少女をその上にうつぶせに押さえつけさせる。二人の兵士が、少女を両側から押さえ込み、一人が少女の背後に回って両腕をつかむ。
『いや、いや、やだああっ、待って!お願い、殺さないで!』
 少女は狂ったように泣き叫んでいる。俺は彼女のサーベルを軽く振ってつぶやく。
「この剣は今まで何人の血を吸ってきたんだろうな。」
 とんだ言いがかりだ。賭けてもいいが、彼女もこの剣も一滴の返り血だって浴びてはいるまい。しかし兵士達は真に受けたのだろう。彼女を押さえつける手にさらに力がこもった。肩の関節など、はずれる寸前までねじりあげられている。かわいそうに。かわいそうすぎて、俺の性器は再び充血してきた。
『何でも、何でもしますから、殺さないで!死にたくない、死にたくないの…お願い…』
『どうしたものかな…』
 実は、結論は決まっている。だが俺は、迷っている風を装って見せた。少女の頬に軽くふれる。
『一つ、賭けをしようか。』
『賭け?』
『君の性器と口を、俺ともう一人の兵士で同時に犯すから、二人同時に射精させてみろ。もっとも全く同時というのは無理があるから、十秒までの誤差は認めてやる。成功させたら殺さないでおいてやる。』
『そんな…』
『何でもするんじゃなかったのか?そういえば、俺の同僚には美少女の生首を鑑賞しながらその肝臓を刺身にして食うのが好きってやつがいるんだ。ちょうどこの町にいるからな、彼に君を提供してやるってのもいい。こんな綺麗な顔を見ながら食う刺身はさぞかしうまいだろうな。』
 普通、自分の容貌をほめられてうれしくない女はいないだろうが、これは例外だろう。少女の、蒼白な顔はさらに血の気を失った。
『……やります…やらせて下さい…』
 俺は固く怒張した性器を少女の口に含ませ、兵士の一人に彼女を背後から犯させた。すでに何回も射精しているだろうに、兵士は激しい動きで少女の肉体をむさぼり始める。少女は苦痛に顔を歪めながらも、俺の性器に舌を這わせ始める。舌の動かし方自体はひどく稚拙で不器用だが、俺は強い快感を味わっていた。触覚よりも、この状況そのものが俺の性感を刺激していた。これから首を斬られる少女が、必死に俺の性器に奉仕しているのだ。俺のような殺人愛好癖のある人間にはたまらないシチュエーションだ。
 俺がそこまで考えを巡らせたとき、少女の膣を犯していた兵士がうめき声を上げた。早くも達してしまったらしい。少女は愕然とした表情になり、俺の性器をさらに深くくわえ込んだ。柔らかい舌を必死に動かし、唇をすぼめて性器の周りを刺激してくる。必死の表情だ。俺を十秒以内に射精させなければ殺される。そう考えているのだから無理もない。実際は、すでに少女の運命は決まっているが。
『9…8…7…』
 俺はカウントを始めたが、カウントが終わるよりも早くぞくりとするほどの快感がわき上がってきた。残り四秒まで数えた刹那、俺はたまらず少女の口腔に欲望を解放する。自分でも驚くほど、大量の精液があふれ出した。
『吐くな、飲むんだ。』
 性器を少女の口から抜いた俺は、冷たい口調で命じた。少女はあわてて口を閉じ、粘液を飲み下そうとする。しかし、なかなかうまくいかない。白く細い喉が何度も痙攣するようにうごめき、十秒ほど経ってようやくその動きが落ち着く。汚され、精液と涙にまみれながらも美しい顔に安堵の表情が浮かび始めていた。約束は果たしたし、助かると思っているのだろう。
 俺はその彼女の横に立ち、ゆっくりとサーベルを振り上げた。
『…え?』
 不審、そして驚愕、恐怖。少女の表情はめまぐるしく変化した。
『そんな、約束したじゃない!助けてくれるって!』
『そうだな、確かに約束した。』
『だったら』
『さっき肝臓の刺身が好きな同僚の話をしただろう。』
『そ、それが?』
『あれは、俺のことなんだ。』
『きゃあっ、ひ、ひあっ、あえっ、えぐっ!』
 少女の悲鳴は、苦しげな咳に変わった。精液を喉に詰まらせたらしい。少女が咳き込むたびにその口から精液の飛沫が飛び、細い糸を引いた。少女は痙攣に近い激しい咳を続ける。
『えあっ、あぐっ、が、がはっ、ああ、えあっ!』
 俺は、激しく動く少女の首に、慎重にねらいを定めた。首が前傾した状態でないと斬首はうまくいかない。咳き込んだ瞬間に首は前に倒れ、その直後にのけぞる。首が倒れた瞬間に刃が当たるようにしなければならない。俺は慎重にタイミングを計った。
 タイミングが、あった。
 俺は、無言の気合いとともにサーベルを振り下ろした。白く細い首を、チタンの刃が断ち切る。心地よい手応えとともに、少女の首が胴から離れた。首は地面に落ち、胴体からおびただしい血がほとばしる。少女の、むき出しの両足が激しく痙攣した。尿道から間欠的に小水が噴出する。膣、そして肛門からも精液があふれ出した。
 切断面からの出血はすぐに勢いを失った。気管の断面からはピンク色の液体が糸を引いてしたたり落ちる。先ほどまで少女を咳き込ませていた精液と、そして血の混合物だ。少女の、頭部側の切断面からも同じ色の液体があふれていた。俺は、その少女の頭部を拾い上げる。

 死体は表情を失うものだが、涙と精液、そして血にまみれた少女の生首は悲痛な表情がこびりついたままのように見えた。俺はその口を開かせ、まだ固さを失っていない性器を挿入する。
 俺は、今度はじっくりと少女を味わった。口腔の感触をゆっくりと楽しみ、綺麗な金髪の中に指を差し入れ、蒼白な美しい顔を鑑賞する。最後に、少女の口腔に精液をそそぎ込むと、ややあって気管の断面からそれがあふれ出して来た。
 最後の行為を終えた俺は、彼女の死体から肝臓を抜き、生首と一緒に持って帰った。今日は本国から上司が来る。とびきりの接待が必要なのだ。俺は肝臓を刺身にし、少女の首をよく洗って防腐剤を注入した。綺麗に化粧もしてやる。
 上司と、二人の同僚を招いた宴会では、少女の首を鑑賞しながら肝臓を肴に酒を酌み交わした。
 彼女の肝臓は驚くほどうまく、宴会は大いに盛り上がった。

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