下流工程を小馬鹿にするエンジニアにはならない

下流工程が卑しい、上流工程が尊いという考えは私にはありません。

また、世の中にはどちらの工程も必要です。


優れた上流工程のエンジニアになるためには下流工程の事を理解する必要があるというのが私の考えです。


今、幸いにして自動車業界でだけでなく他の業界からも色んな声を頂けております。

特にSIer等のエンジニアの方からは共通の悩みの声を頂きます。

また、実際にソフトを作った経験がないと優れた上流工程のエンジニアになれないという点で考えが一致しております。

これはソフト業界特有のものなのでしょうか。

他の業界もそうではないかと思うのですがいかがでしょうか。

例えば機械設計でも図面の書けない・読めないエンジニアが優れた上流工程のエンジニアになれるものなのでしょうか。

製造・生産技術でも文系の職だとしてもそうではないかと考えております。

どんな上流工程の仕事でも現場でおこなわれている事への深い理解は必要ではないでしょうか。


今、実際に下流工程の実務をおこない日々学ぶ事ばかりです。


将来、私が上流工程の道に戻るとしても下流工程を経験しソフトがどのよう作られているのかを理解して戻ると心に決めています。


また、個人的ではありますがエンジニアとして若いうちに下流工程の泥臭い業務を数多く経験する必要があると思っています。


キャリアの最初から上流工程のみをおこない、矛盾した支離滅裂な仕様書が乱発される様をたくさん見てきました。

もちろん私もそのような人物の一人であったと思います。


中身がわかってないから評価項目は抜け漏れだらけ、仕様変更の影響度が想像できないから思いつきで仕様変更を連発。

他の業界でも良くある話ではないでしょうか。


また、下流工程を小馬鹿にする人達をたくさん見てきました。

盲目的に上流工程というだけで偉いと。

下流工程の事なんか知らなくて良いと。


フォローしておくと尊敬できる上流工程のエンジニアの方もいました。

やはりその方は若手の時にソフトをバリバリと書いていた方でしたが。

自分でもソフトを書け、ソフト技術者としての能力も高い上で上流工程をおこなっている方でした。


私はその方と同じ道を進みたいと考えています。

そのために今は泥にまみれて必死に技術を磨きます。














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  • id:sieg-fried

    いい考えだとは思いますが、下流工程を知れば知るほどその限界や仕様変更時の大変さが分かってしまい、自然と安全策を選択してしまうことが多々あります。本当に良いものは、無理や無茶の先にあったりすることもあるので、下流工程にどっぷり浸かりすぎないように気を付けてください。

  • エンター (id:lentertainer)

    ブログ拝見させていただきました。
    ものづくりにひたむきに向き会おうとなされている印象を受けました。投稿者様はお若いと思われますが、その段階でものづくりに対する考え方が確立されていることそのものが素晴らしいことと思います。
    私はソフトの技術者ではありませんが、いづれにしても下流工程をないがしろにした製品開発では良品は創られないと考えています。
    そもそも下流工程という言葉ではなくものづくりの実現フェイズというべきでしょうか。この部分を知らないまま構想~仕様決めまでしたところでそのあとでコストがかさみ、リードタイムが異常に費やされ、実現部分を担う方々へ無理難題を押し付けることになり、徐々に疲弊させていくのです。当然できなければできない理由が分からないため、ただ叱責する、ただ批判をする、ただ出来損ないだと言い張る、等改善案も出せない上事態を悪化させる方向にしか向かいません(それこそ投稿者様のブログに書かれていた人の発言「上流工程は尊く、下流工程は卑しい」に帰結するのだと思います)。それ故構想した物からかけ離れた物しか生み出されません。ひいては実現部分を担う方々からの信頼はなくなりその後の付き合い方にも影響するでしょう。
    これを良いもの作りができたんですと言い張るのならば私の語りはここで終わりです(笑)
    反対に技術者が自分が製作したものがこのあとどんな工程を経てどう評価されてどう保証されてどんな形で製品が作り上げられ最後にエンドユーザーにどう届くのかまで見切れるならばどうでしょう。具体的には(私がメカおよびエレキ系の人間なので簡単なところでいくと)表面粗さをいくつに設定したときにどれだけの研磨が必要か、広大な面に対して平面度の公差を著しく狭めると一体どれだけの加工が必要でそもそも何点測定すれば良いのか、ダイカストでの製品の大きさに対する最適な肉厚、投影面積と射出圧力、深さに対しての抜け勾配の増大の必要性、最低限の曲げR等々これらいわゆる工作法的知識を持ち合わせて無理のない設計をした場合どうなるでしょう。製品歩留まり向上および製作にかかるそもそもの工数がぐっと減ると思われます。これはエンドユーザーに対して低コストでスペック通りのものが短い期間で供給できるようになっていくことを意味しています。
    加えて機能を満たすためにどうしても製作において無理をしなければならない場合、その事情を説明できる上、製作者と「一緒に」打開策を練ることができます(なぜなら工作方法を知っていてどれだけの無理難題を要求しているかが分かっているから)。そのとき実現フェイズの方々は文句を言うだけの人間と比較し、何を思うでしょうか。やってやろうと思ってくれそうな気が個人的にはします(笑)
    翻ってやはり私もまた開発の中で後工程をないがしろにすることはナンセンスであると思っています。
    そういった意味であなたの投稿に再び共感させていただきました❗

  • 堂島すゞめ (id:Aru-Kaishain)

    「本田宗一郎 夢を力に」(日経ビジネス文庫)に斯くあります。
    「(ホンダ二代目社長)河島喜好は言う。『(本田は)エンジニアリングの知識は広くて深かった。(中略)それこそ現場・現物・現実で、それらを学んだんでしょうね。知識だけじゃなく、溶接から鋳造から、何から何まで名人級です。紙の上の学問しか知らなかった僕らじゃ、とても歯が立たなかった』」
    御健闘・御活躍をお祈りいたします。

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