こんにちは、BASE BANK株式会社 Dev Divisionにて、Software Developerをしている東口です。先日、2020年2月16日に開催された、Object-Oriented Conferenceにスピーカーとして参加してきました。このカンファレンスには、BASEがブロンズスポンサーとして協賛しています。
非常に高度な内容がタイムスケジュールに並んだ濃密なカンファレンスで、オブジェクト指向や設計話にどっぷり浸かる一日になりました。
Object-Oriented Conferenceとは
お茶の水女子大学で開催されたこのカンファレンスは、オブジェクト指向をテーマにした技術カンファレンスです。
Object-Oriented Conference はオブジェクト指向をテーマに、あれこれ共有したり、セッションを聴講することで、みなさんの知見を深めるためのイベントです。
冒頭に書いたとおり、BASEは、ブロンズスポンサーとして協賛しました。
発表内容:デザインパターンの使い方を パタン・ランゲージとの比較から考える
冒頭に上げていますが、この内容の課題感は自分自身が感じる「デザインパターンに対するもやもや感」でした。
GoF(Gang of Four)のデザインパターンは、我々が日々行う設計行為において基礎的な要素を占めています。ですが、一方で「デザインパターンをなんとなく知っている」状態から「デザインパターンを正しく使う」状態へ向かうには、大きな壁があると感じています。
正しく使うためには、その対象を知らないといけないですが、その切り口として、「デザインパターンの前」を見てみようという内容です。それが、パタン・ランゲージであり、この発表はパタン・ランゲージを理解し、その違いを理解することで、デザインパターンとの付き合い方を整理しようとしています。
発表後、ありがたいことにさまざまフィードバックを頂きました。
動画で見たのですが、すごく良いセッションでした!問題提起から、数々の文献にあたり、最後に東口さんなりの結論を導きだしたのがとても良かったです。おつかれさまでした :)
裏話をすると、発表時間を15分〜20分で、パタン・ランゲージとデザイン・パターンを比較するという性質上、パタン・ランゲージとその発想の背景にあるクリストファー・アレグザンダーのデザインに対する考え方を、ぎゅっと短い時間でまとめ上げることが必須で、その整理に非常に工面し、最後の最後まで時間をさきました。
「クリストファー・アレグザンダーの考え方に精通されている」と僕が認識している@kyon_mmさんにこう言っていただけたので、なんとかうまくいったようで安堵しています。
カンファレンスでアウトプットすることの醍醐味の一つですが、聴講頂いた方のコメントから、さらに関連する知識もいただけました。
アレグザンダーの『ノート』におけるデザインの3段階のモデルとアラン・ケイの"Doing with Images makes Symbols” のスローガンの心理学的な根拠が両方ともジェロム・ブルーナーの子供の認知機能の発達の過程という発見がそういえば最近あったことを思い出した。 https://twitter.com/hgsgtk/status/1227875307660595201 …
とてもよかった
ところでパターンが先になくとも原則に従ってリファクタリングする中で自然にデザインパターンが現れてくることを、Uncle Bobはアジャイルソフトウェア開発の奥義の中で「コードがデザインパターンに回帰していく」と表現していました。 #ooc_2020 #ooc_e https://twitter.com/hgsgtk/status/1228806172515487744 …
発表したことによって、関連する新しい情報をもらえるのは本当にありがたいことです。この他にもたくさんのフィードバックを頂きました。貴重なお時間をいただけたこと、この場を借りて御礼申し上げます。
まとめ
Object-Oriented Conferenceは今年初開催のカンファレンスでした。オンラインでの視聴者込みで1000人超えの来場者数で、5トラックある非常に大規模なカンファレンスにもかかわらず、非常に楽しく1日過ごさせていただきました。主催者の@hirodragon112さんを始め、運営スタッフのみなさま誠にありがとうございました。