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これまでの放送

スペシャル 2009年9月29日放送

新型インフルエンザを食い止める WHOメディカルオフィサー、医師・進藤奈邦子


ウイルスと人類の闘い

今、世界で猛威をふるう新型インフルエンザ。ウイルスと人類との闘いの最前線に立つのが、WHOで新型インフルエンザ危機対策チーム統括をつとめるメディカルオフィサー・医師、進藤奈邦子(46)。
「プロフェッショナル」では3年半前、鳥インフルエンザ対策に奔走する進藤の密着ドキュメントを放送。今回はその続編。

WHOは、未知のウイルスとの闘いの世界の司令塔だ。各国で起こる集団感染の情報をいち早くキャッチし分析、戦略を練る。医師である進藤の役割は、チームで世界各国の臨床データを収集。そこから治療や対策の指針を決め、発信すること。基礎疾患のない健康な人でも、ウイルスが直接肺に感染し、重症の肺炎や合併症を起こすケースが報告され出した。進藤は、ひたすらウイルスの動きを追いかけ、有効な治療法を練り続ける。

2009年8月、タイ政府から進藤の元に、緊急の要請が飛び込んできた。アジア最大、100名近くの死者が出ていた。進藤は単身タイに乗り込み、感染拡大の食い止めに挑んだ。病院の実態を聞き取り調査するなかで見えてきた、患者急増による医療機関の混乱ぶり。死者急増の背景には、初期段階での抗インフルエンザ薬の投与の遅れがあった。

写真重症患者の診察をする進藤
写真24時間体勢で仕事に追われる進藤


あなたたちにしか、救えない

感染爆発の現場で患者と向き合う医師や看護師。進藤は、突然の事態に、困惑、疲弊する医療者たちの様子が気になっていた。
「患者が目の前でどんどん亡くなっていくということを経験するなかで、医療者にはある種の虚脱感がある」
しかし、医療者が踏ん張らなければ患者の命は救えない。医療者を前に進藤は、訴える。
「新型インフルエンザだと疑った場合には、検査結果を待たずに医者としての自分の判断で、患者の治療を始めてください」進藤のウイルスとの闘いは、まだ始まったばかりだ。

写真自宅に帰っても最新情報が上がってくる


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