阪神の新助っ人、ジョー・ガンケル投手(28)が16日、練習試合の楽天戦(宜野座)に先発し、2回1安打無失点で対外試合デビューを飾った。年俸50万ドル(約5500万円)の格安右腕は「すごくいい感じだった。弱いゴロを打たせて流れを作るのを意識した」と気持ち良さそうに振り返った。
淡々と投げ抜いた。初回1死、渡辺直に左前安打を浴びたが、島内を外角スライダーで空振り三振。浅村をツーシームで遊ゴロに詰まらせ、2回も3者凡退に封じた。キャンプを視察したOBの江夏豊氏(71)は「自滅、大崩れするタイプじゃない。まだ勢いも出てくる」と及第点を与え、最速146キロからさらなる上積みを予告した。
江夏氏も及第点 阪神はここまで、若手投手陣が練習試合で打ち込まれる場面が目立ち、西勇、青柳、高橋の3人以外のローテ争いは混とんとしている。またメジャー経験がないガンケルは、1軍キャンプに帯同している外国人7選手の中でも「7番手」とみられていた。ガルシアが左肩痛で開幕絶望的となるなか、「先発ローテ」と「外国人4枠」の2つの争いに、伏兵が参戦した形だ。
「スライダー、シンカーは自信のある球で、両サイドに投げ分けられる。カット、スプリットも使って投球を確立したい」と勢いづくガンケル。矢野監督は「うまくゴロを打たせる投球。開幕までしっかりやってくれたら」と1軍構想を示唆し、巨人・中里スコアラーも「ローテ入りは大いにある」と警戒心を強めた。大穴の男が、先発陣の救世主に名乗りを上げた。(表 洋介)
◆ジョー・ガンケル(Joe Gunkel)1991年12月30日、米フロリダ州出身。28歳。ウェストチェスター大からドラフト18巡目でレッドソックス入り。今季はマーリンズ傘下の3Aで19試合に登板し、8勝2敗、防御率3.80。メジャー経験はないが、マイナー通算の与四球率は1.49と優秀。196センチ、102キロ。右投右打。