韓国映画『パラサイト 半地下の家族』が第92回アカデミー賞で、非英語映画では初となる作品賞のほか、監督賞、シナリオ賞、国際長編映画賞を受賞し、4冠に輝いた。
新型コロナウイルスの流行に関するニュースが連日流れ、感染予防のために警戒中の韓国だが、この明るいニュースに国中が沸き、大いに盛り上がった。
映画のお祝いムードにあやかろうとする政治家たちも少なくないようだ。
「ポン・ジュノ監督は大邱(テグ)出身であり、大邱の誇りだ。(ポン監督は)私の故郷の隣町の学校に同時代に通っていた」
と、発言したのは同作のポン・ジュノ監督と同郷で、保守の自由韓国党(以下、韓国党)のカン・ヒョサン議員。
彼は、院内会議の場で、大邱市内にポン・ジュノ映画博物館を設立し、ユニバーサルスタジオのような映画テーマパークを建設しようとも言及している。
今年4月15日に行われる国会議員選挙で、大邱地域からの出馬を宣言している韓国党のぺ・ヨンシク候補は、「(大邱市内に)ポン・ジュノ映画文化ストリートを建設し、観光産業を盛り上げる」という公約を掲げた。さらにポン監督の生家の復元や、同作の出演俳優らの銅像を建てることも提案している。
彼らの提案に世論は歓迎するよりは、冷ややかな反応を見せている。韓国の地方では地域活性化のためにと銘打って建てられた箱ものやモニュメントのなかで、無用の長物となったものが少なくないからだ。結局、撤去されたケースも多い。