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毛利衛と宇宙を聴く ~円い音、渦の音。

「宇宙空間でオーロラをくぐり抜けたとき、
バッハと雅楽が同時に聞こえた。――毛利衛」

2000年、宇宙飛行士・毛利衛に訪れたユニークな聴覚体験を、今あらためて"円と渦"というキーワードで読み解き、音楽と映像によって追体験していく異色のコンサート。

なぜその瞬間、二つの音が同時に聞こえたのでしょう。
小林康夫教授の解釈によれば、たとえばバッハの楽曲が整然とした"円"の構造を想起させるとしたら、雅楽の響きはある種のゆらぎ、"渦"を象徴しているといえるのかもしれません。そして地球は、全体としてはひとつの大きな"円"を描いていますが、その表面には雲や海流といった"渦"をはらみ、さらに視界を広げた先には、銀河系、そして宇宙の大規模構造といった"渦"的なものが現れてくるのです――。

毛利自身がハイビジョンカメラで撮影したリアルな宇宙映像に、一流の演奏家たちによって奏でられるバッハの時代のチェンバロや、笙(しょう)・篳篥(ひちりき)といった雅楽器の生きた音が重なります。そこには一体、どんな情景が浮かびあがってくるのでしょうか?
音楽のなかに宇宙的なるものを見つけ、翻ってこれからの時代に地球や芸術をとらえるための、新鮮なイメージを感じとっていただければ幸いです。

- プログラム -
01_experiences:宇宙で聞こえた音
02_talk :円と渦・音の宇宙
03_concert:宇宙を聴く

- 出演者 -


毛利衛 [日本科学未来館館長・宇宙飛行士]

1948年北海道生まれ。理学博士。1985年北海道大学助教授から宇宙開発事業団に転身。日本初の宇宙飛行士の一人に選抜され、92年と2000年の2 度、米スペースシャトルに搭乗。2000年にはハイビジョンカメラによる初めての地球観測ミッションデータ取得に成功する。同年10月、日本科学未来館館長に就任。最先端科学技術を社会に伝える場づくり、および人材の育成に取り組んでいる。

小林康夫 [東京大学教授]

1950年東京生まれ。東京大学大学院総合文化研究科・教授(表象文化論)。現在、同研究科の21世紀COE「共生のための国際哲学交流センター」の拠点リーダー。 著書に、『起源と根源』『建築のポエティクス』『青の美術史』など多数.。「ロレアル色の科学と芸術賞」審査委員、フランス政府・教育文化功労賞(シュヴァリエ)受賞。


須藤 斎 [名古屋大学環境学研究科助手]

1976年、南ドイツ・リンダウ市生まれ。パイプオルガン製作者の父の元、幼い頃からクラシック音楽を聞いて育つ。筑波大学大学院地球科学研究科卒業。
専門は珪藻化石、特にChaetoceros属と呼ばれる仲間。研究はおろか分類すらされていないそれらの生態変化の歴史を明らかにすることを目指す、注目の若手研究者。2004年、北極掘削調査に参加し、掘削船からのレポートを未来館HPに連載。

武久源造 [チェンバロ]

1957 年生まれ。1984年東京芸術大学大学院音楽研究科修了。チェンバロ、ピアノ、オルガンを中心に各種鍵盤楽器を駆使して中世から現代まで幅広いジャンルにわたり様々なレパートリーを持ち、意欲的な演奏活動を行っている。特にブクステフーデ、バッハなどのドイツ鍵盤作品では、その独特で的確な解釈に内外から支持が寄せられている。91年よりプロデュースも含め20作品以上のCDをリリース。中でも「鍵盤音楽の領域」(Vol.1~6)、チェンバロによる「ゴールトベルク変奏曲」、「J.S.バッハオルガン作品集 Vol.1」、オルガン作品集「最愛のイエスよ」、コンヴェルスム・ムジクム「バロックの華~ローマからウィーンへ」、ほか多数の作品が、「レコード芸術」誌の特選盤となる。02年、著書「新しい人は新しい音楽をする」を出版。現在、フェリス女学院大学音楽学部器楽科講師。

中村仁美 [篳篥(ひちりき)]

雅楽演奏家。古典曲はもとより、篳篥(ひちりき)で現代作品の演奏に携わる機会も多く、和洋さまざまなジャンルの音楽家やオーケストラ、舞踏家らと共演している。「伶(れい)楽舎(がくしゃ)」メンバーとして八ヶ岳音楽祭('94)、PMF札幌('97)、タングルウッド音楽祭('96)、ウルティマ現代音楽祭('97、'00)、ミュージック・フロム・ジャパン音楽祭('04)などに参加。1992年~97年に篳篥リサイタル「葦の声」、2003年からはリサイタルシリーズ「葦の風」を企画し、篳篥のソロ曲、笙・琵琶・箏・ハープ・ピアノ・パーカッションとのデュオ曲などを多数委嘱初演。生命力あふれる篳篥の音色を生かし、その未開拓な可能性を探求している。2006年CD「ひちりき萬華鏡」を発売。

石川 高 [笙(しょう)]

東京生まれ。笙を宮田まゆみ、豊英秋両氏に師事、雅楽合奏を芝祐靖氏に師事する。
雅楽団体「伶(れい)楽舎(がくしゃ)」に所属。笙の他、正倉院復元楽器である竿(う)や、雅楽の歌物でも高く評価されている。国立劇場公演をはじめとし、ニューヨーク・リンカーンセンター・フェスティバル、ノルウェーのウルティマ・フェスティバルなど世界各地の音楽祭に参加。雅楽古典曲のみならず、現代作品の演奏や、自主作品の演奏も数多く、いろいろな分野の音楽家と共演している。

八木千暁 [龍笛(りゅうてき)]

龍笛、琵琶を上近正、芝祐靖両氏に師事。古典雅楽、現代雅楽作品などを国内外で演奏している。雅楽演奏グループ「伶楽舎」に所属。国立劇場雅楽公演、サントリーホール、オペラシティホール、1996年アメリカ公演、2000年ヨーロッパ公演、他に出演している。龍笛、琵琶を上近正、芝祐靖両氏に師事。古典雅楽、現代雅楽作品などを国内外で演奏している。雅楽演奏グループ「伶楽舎」に所属。国立劇場雅楽公演、サントリーホール、オペラシティホール、1996 年アメリカ公演、2000年ヨーロッパ公演、他に出演している。

中村 華子 [笙(しょう)・鉦鼓(しょうこ)]

国立音大音楽学学科卒業。
笙を宮田まゆみ、多忠輝、雅楽合奏を芝祐靖各氏に師事。
「伶楽舎」所属。 現在、平成18年度文化庁国内研修制度研修生。

- 会場 -
新国立劇場 中劇場
東京都渋谷区本町1-1-1
https://www.nntt.jac.go.jp/

・京王新線(都営新宿線乗入)初台駅中央口改札(北口方面)徒歩1分。※京王線は止まりません
・お車の場合:山手通り、甲州街道交差点。首都高速4号線新宿ランプすぐ。ただし、中央自動車道・首都高速4号線上りの場合は、初台ランプ下車が便利です)
・劇場地下に駐車場がございます(営業時間:7時~23時30分)

開催日時
2006年12月6日(水) 開場 18:00/開演 19:00
開催場所
新国立劇場 中劇場
https://www.nntt.jac.go.jp/
出演
毛利衛(日本科学未来館館長・JAXA宇宙飛行士)、小林康夫(東京大学教授)、須藤斎(名古屋大学環境学研究科助手)、ほか
参加費
無料(事前申し込みが必要です。)
お申し込み方法
WEBでのお申し込み
締め切りました
※定員に達し次第、締め切らせて頂きます。
ただし、キャンセルが発生した際は受付を再開する場合があります。
※受付を完了した方には参加証をお送りしますので、当日必ずご持参ください。
※就学前のお子様のご同伴・ご入場はご遠慮ください。
※お申し込みいただいた個人情報は、本事務局にて適切に管理し、本イベントへの参加申し込み以外の目的には使用いたしません。
応募期間
2006年11月30日まで
ただし定員に達し次第締め切らせていただきます。
主催
独立行政法人 科学技術振興機構 日本科学未来館
協力
財団法人アリオン音楽財団、宇宙航空研究開発機構(JAXA)
後援
J-WAVE
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