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【ドラニュース】川上憲伸さんに中日・柳が質問攻め 「結果を残した次の年に気を付けることは?」2020年2月15日 紙面から
昨季は11勝で自身初の2桁勝利をマークした4年目の中日・柳裕也投手(25)が、本紙評論家で元中日エースの川上憲伸さん(44)と対談した。明大の先輩が後輩の今キャンプの状態を絶賛すると、後輩はさらなる飛躍を目指して先輩を質問攻め。2017年に本紙の正月紙面で対談して以来の「明大エース対談」は熱く盛り上がった。 (構成・兼田康次) 川上さん「明けましておめでとう。紙面での対談は3年前の正月以来だね」 柳「そうですね。よろしくお願いします」 川上「ところで、何度かブルペンを見たけど球がきているね。ストレートが他の投手とは違う。体感的に、さらに加速して打者が差し込まれそうな感じがする。相当、指にかかっているんだろうなって」 柳「ホントですか? 実は、昨秋に二段モーションをやめていたんですけど、今年から戻したんです。やっぱり2段の方が合うかなって」 川上「充実したキャンプを過ごしているみたいだけど、去年との違いはある?」 柳「去年は結果を出さないといけないってガムシャラでした。でも、今年は1年間しっかり勝つための準備をしようと。もちろん、先発の枠も取りにいかないといけないですけど。いい投手がいっぱいいるんで」 川上「そんな風には見えないな。ウソついたらダメだよ。痛いかゆいがなさそうだし、投球フォームに焦りがない。周りも見えているし、余裕がある。今は自分と向き合って取り組んでいるって感じだけど、今キャンプのテーマは?」 柳「チェンジアップですね。去年はスライダーやカットとか曲がり球しか勝負球がなかった。チェンジアップもあったけど、悪いときは使えなかった。だから落ちる球のチェンジアップで勝負できるようにしたいと思っています。じゃないと6、7回に投げる球がなくなってくる」 川上「そうか。1年間戦ってみて、試合におけるストーリーというか、抑えるコツみたいなものが分かってきたと思うんだけど、今年は平均何イニング投げることを目標にしている?」 柳「7(イニング)ですね」 川上「そうなると3回りか。1巡目はパワーピッチングでいこうとか、2巡目はかわそうとか、プランはその日によって違うと思うけど、どう考えている?」 柳「去年はその日によって変えていました。元気なうちは真っすぐで2巡目は変化球ばかり投げるとか」 川上「だいぶ大人になったね。1試合のストーリーがつくれないと、7イニングは投げられない。時と場合によって甘い球でもいいってことも分かったでしょ」 柳「勝つときって甘い球でも打者は打ち損じるし、負けるときは厳しいところでも、いいところに飛ぶ、ということですよね」 川上「初球とか2球目に甘くいって、まあまあ大きいフライでもアウトになればOK。それって何となく空気感で分かってくる。そういうのは大野(雄大)投手も分かっている」 柳「大野さんもアバウトですもんね。以前の僕は最初から厳しいところを狙いすぎてボール球にするとか、1球目に一番いいボールを投げるとか、自分で自分を苦しめていた。でも勝ちだしてから、こうすれば抑えられるというのが分かってきました」 川上「結局、先発投手はメリハリをつけないといけない。先発と中継ぎは違うというか、1試合で100球投げるとして、一球入魂を続けていたら10球しか持たない。立ち上がりは技術もパワーも使わず、精神面だけで抑える。ピンチのときだけ技術、パワーを総動員するって感じかな」 柳「ところで憲伸さんに聞きたいんですが、結果を残した次の年に気を付けることって何ですかね」 川上「我慢かな。どこも悪くないのに急に勝てなくなるときがあるけど、そこでどう我慢できるか。技術的には変えなくていいと思う」 柳「やった方がいいことは」 川上「配球を自分で勉強するようになると、楽に抑えられるようになるかな」 柳「去年はそこまで深く研究することはなかったけど、データを頭に入れて、自分の感覚も大事にやっていきたいですね」 川上「大事なのは頭なんだけど、いいもんな。明治だもんな」 柳「そうですね(苦笑)」 川上「明治は頭がいいというか、要領がいい。それが野球には重要だから。結局、いたちごっこだからね」 柳「もう1つ聞いていいですか? カーブはどういう意識で投げていましたか」 川上「考え方が2つあって、1つは言葉は悪いけど、打者への目くらまし。次の球を生かすためにタイミングをずらす役割かな。あとは、力で投げて上半身を頼りがちになったときにカーブでフォームを戻していた。下半身を使わないとカーブは投げられないからね。その2点を重要視していたね」 柳「ありがとうございます」
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