新手のマルチ商法に60万円支払った学生の末路

SNS世代だからこそ陥る「キラキラ投稿の罠」

最近、マルチ商法で被害に遭う若者が目立ってきているという。SNSネイティブの世代だからこそ狙われやすい理由があるようだ(写真:AH86/PIXTA)

国民生活センターによると、「モノなしマルチ商法」に関する相談が増加中だ。モノなしマルチ商法とは、従来のような健康食品や化粧品などの商品ではなく、投資や儲け話などに関するマルチ商法を指す。

2018年のマルチ取引の年代別相談件数を見ると、20代、20歳未満の若者の相談が約4割を占め最多。なかでも近年、大学生が被害に遭う例が目立っている。モノなしマルチ商法とは具体的にどのようなもので、なぜ大学生などの若者が狙われるのだろうか。

マルチに貯金すべてをつぎ込んだA子さん

「お金を返してもらいたい。おかげで貯金はゼロになってしまった」と被害者である女子大生のA子さんは嘆く。

「Twitterで知り合った年上の男性から、海外の不動産への投資を勧められた」というA子さん。「仮想通貨で配当があるうえ、人を紹介すれば報酬を得られる」と勧誘され、60万円の貯金をはたいた。ところが、セミナーに参加しても儲かる仕組みの話は聞けず、ただ参加者同士がおしゃべりするだけの内容だったという。

不安に思い、解約を申し出たものの、勧誘してきた男性からは「半額しか返せない」と言われたそうだ。A子さんは、男性から領収書や契約書などは受け取っていなかった。「男性とはTwitterやLINEでやり取りをしていたから安心していた。まさか契約書が必要とは思わなかった」。

被害者と加害者は友人関係の場合もあるが、SNSやマッチングアプリで知り合ってだまされることも多い。「仕組みはよくわからないけれど、『これからの時代は海外投資。仮想通貨は値上がりする』と言われて信じてしまった。近々留学を考えていてまとまったお金もほしかった」とA子さんは言う。

モノなしマルチ商法では、仮想通貨や海外事業への投資など、仕組みがわからない儲け話でだまされる例が目立つ。大学生が投資情報が入ったUSBメモリを購入させられる被害もここに含まれる。中には、「絶対に儲かるから」と甘い言葉にだまされて、消費者金融などで借金させられた例も少なくない。

次ページ「SNS世代」だからこそ被害に遭う理由
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
  • 働き盛りでがんになった人たちの行動
  • スージー鈴木の「月間エンタメ大賞」
  • 東京「夢見る女子」の生態
  • 就職四季報プラスワン
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
4

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
  • peeeeko8bb389fc04ab
    馬鹿だねぇ~としか言えない・・・
    up23
    down2
    2020/2/15 09:47
  • ネガティブプラス思考d97cde8a9067
    大学生のコドモだからとか‥
    年齢は関係ないと思う。

    昔から似たようなうまい話に騙される人は、一見しっかりした社会人から年配者まで沢山いる。

    ツールは違えど手法は同じ。驚くほど幼稚な罠に引っかかる人は多数。

    世の中に成功する道は沢山あるが、それは自分自身の知識と能力と判断で見つけるモノ。他人が用意する道などを何も考えず信用してはいけない。
    up7
    down0
    2020/2/15 13:40
  • コウイチ20194cde46e8eea1
    授業料だな
    長い人生、そういうこともある
    むしろたった60万ポッチでいい勉強ができたと思った方がいい
    up6
    down1
    2020/2/15 13:22
  • すべてのコメントを読む
トレンドウォッチAD
マツダの試練<br>米国販売改革の最前線

CASE時代と呼ばれる大変革期にある自動車産業。世界シェアわずか2%のマツダは生き残れるのでしょうか。カギを握る主戦場は、来年トヨタとの合弁新工場が稼働する米国。安売りと決別した販売改革の現場に迫りました。