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【政治】

<点検「桜を見る会」>公文書管理 即廃棄、新指針で可能に

 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡っては、公文書管理の問題も大きくクローズアップされている。首相が地元支持者を多数招いて会を私物化したかどうかを検証する証拠となるはずの招待客名簿は、会の開催から短期間で廃棄したと政府は主張している。

 昨年四月十三日に開かれた桜を見る会の招待客名簿に関し、政府は一カ月足らず後の五月九日に廃棄したと説明する。「廃棄」は、この日、共産党議員が関連資料の提出を政府に求めた直後のタイミングだった。

 政府は、招待客名簿の保存期間を一年未満に設定していることから「遅滞なく廃棄した」。保存期間が短いのは「全て保存すれば、個人情報を含んだ膨大な文書を適切に管理する必要が生じる」からだという。

 だが、招待客名簿の保存期間を一年未満にしたのは二〇一八年で、それまでは一年に設定していた。以前から招待客は一万人以上だったので「文書管理が大変だから」という政府の説明はつじつまが合わない。

 公文書の保存期間に関しては、政府は学校法人「森友学園」「加計(かけ)学園」の問題を受け一七年十二月に行政文書管理のガイドラインを改定。一年未満に設定できる文書を「日常的な業務連絡」など内容が軽微とされる七類型に限定した。

 七類型には「保存期間を一年未満と設定することが適当なものとして、業務単位で具体的に定められた文書」という抽象的基準がある。内閣府は桜を見る会の招待客名簿をこの類型にあてはめた。

 結果として、新たなガイドラインが名簿の「即廃棄」を可能にしたことになる。 (中根政人)

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