デルが年明け早々にワールドワイドで公開し、大きな話題となった「ほぼ画面」狭額縁の13.4インチノートPC、『XPS 13』2020年モデル。その日本版がついに2月14日に発売となりました。
本体カラーは「シルバー」と「フロスト」。すでに受注が開始されています。
価格は最廉価構成で17万9980円(税別・配送料込)からですが、
2月17日までは17%オフのセール価格で、14万9383円(同)から。米国版では999.99ドルからですが、これはCore i3/RAM 4GB/SSD 256GB版の"見せモデル"。日本版は最廉価でもCore i5/8GB/512GB構成です。
▲今回公開されたキーボードはUS配列仕様(日本でもUS配列が購入可能です)。日本語配列も選択可能ですが、写真はまだ公開されていませんなお、日本版と米国版の直接的な価格比較ができる構成は、現状では4K+解像度タッチ液晶/Core i7/16GB/512GBモデルとなります。この場合、米国版が1899.99ドルに対して、日本版は22万2980円。クーポン適用で18万5073円と、
内外価格差はセール抜きも比較的良好で、セール込みとなるとむしろ日本の方が安価です。
なお、アプリ開発者などから注目されている
RAM 32GBモデルは「今春発売予定」と告知されました。
さて、モデル名「9300」こと2020年モデル最大の特徴は、昨今のノートPCでトレンドとなっている4辺ナローベゼル(狭額縁)設計を徹底的に推し進めた点。カメラの薄型化などにより、画面占有率は91.5%を達成。巧みな画面周辺デザインと合わせて、開くと全面が「ほぼ画面」とも呼べる設計です。
デル側もここには自信があり、本機のジャンル名を『フレームレス ノートパソコン』と名付けています。
そして画面のアスペクト比が16:10と、一般的なノートPC(16:9)に対して縦方向に拡張された点も特徴。これに合わせて、パネルの大きさは13.4インチと0.1インチ増に。パネル解像度の呼称も「フルHD+」(1920×1200)と「4K+」(3840×2400)と、プラスを付けたものとなっています。
▲米国でCES 2020に合わせて公開された、2020年モデル(左)と2019年モデル(右)の比較。画面の縦方向が広がった分ベゼルが狭くなり、底面積はほぼ同等ですさらに底面積の縮小もわずかながら図られており、2019年モデルと比較して全体は2%小型となっています。具体的な本体サイズは、2020年モデルが295.7×198.7×14.8mm(幅×奥行き×厚さ)で、2019年モデルが302×199×11.6mm(同)。厚さは増したものの、幅は6mmほど狭くなりました。
なお、最小重量は2020年モデルが1.2kg(タッチ非搭載モデル)で、タッチ搭載モデルでもほぼ変わらない1.27kg。2019年モデルは1.23kgと、わずかながら軽量にもなっています。
基本仕様は、先行してアップデートされていたタブレット兼用版『XPS 13 2-in-1』(2019年モデル)より多くを継承する構成。
CPUは、インテルの第10世代Coreのうち、グラフィックス)(GPU)性能重視となる"Ice Lake"(開発コード名)、TDP値15W版を採用。日本向けモデルは『Core i5-1035G1』『Core i7-1065G7』の2種類です。
GPUのグレードは、Core i5モデルでは基本となる「G1」ですが、i7モデルはモデル名「G7」、つまり最高速となるIris Plusグラフィックスを搭載します。
RAMはIce Lake機では定番となる超高速タイプ『LPDDR4X-3733』を採用。増設や交換は不可能なタイプで、容量は8GB/16GBから選択。ストレージはPCI Express 3.0 x4接続のNVMe SSD。容量は512GB/1TBからの選択となります。
またディスプレイは最新世代だけあり、画質にも配慮されたもの。昨今デルが前面に展開する高画質仕様『DELL CINEMAテクノロジー』とDolby Vision仕様のHDR映像ソースにも対応。さらにすべての解像度で最大輝度は500nit(ニト)と高めです。
色域に関しても、解像度に関わらずsRGB比100%をカバー。4K+版はDCI-P3比でも90%とさらに広く、VESAのHDR表示仕様『DisplayHDR 400』認証もパスしています。コントラスト比はフルHD+版が1800:1で、4K+版が1500:1と、いい意味でモバイルノートPCとは思えない仕様です。
接続端子は2-in-1と同じく、Thunderbolt 3兼USB Type-C×2基(左右に1基ずつ)+マイクロSDカードスロットと割り切った構成。ACアダプタ接続もThunderbolt 3(TB3)兼用となります。なおTB3端子は両方とも、電源入力(USB PD対応)と映像出力(DisplayPort Alt Mode)を兼ねる「全部入り」仕様。
バッテリー容量は52Whと、13インチクラスとしては大きめ。ただしバッテリー駆動時間は現状では非公開です。
代表的な基本仕様は、米国版とほぼ変わらず
- 本体サイズ.....約295.7×198.7×14.8mm(幅×奥行き×厚さ)
- 本体重量......約1.2kg(非タッチ画面)、約1.27kg(タッチ画面)
- ディスプレイ......13.4インチ/16:10、1920×1200または3840×2400、Dolby Vison対応IPS液晶(最大輝度500nit)
- CPU(例)......インテル製Core i7-1065G7(TDP 15W、4コア8スレッド、標準1.3GHz、ターボ時最高3.9GHz)
- GPU(例)......CPU内蔵(Iris Plus Graphics、またはUHD Graphics)
- RAM......最大32GB/LPDDR4X-3733(増設・交換不可)
- ストレージ......最大1TB SSD(NVMe/PCI Express 3.0 x4)
- バッテリー容量......52Wh
- バッテリー駆動時間......非公開
- USB端子......Thunderbolt 3兼用USB Type-C×2(映像出力とUSB PD給電対応)
- 拡張端子......マイクロSDカードスロット、3.5mmヘッドセットジャック
- Wi-Fi......Wi-Fi 6(Killer Wi-Fi 6 AX1650)
- 生体認証機能......指紋認証+顔認証(Windows Hello対応)
- 標準搭載OS......Windows 10 HomeまたはPro 64bit版
といったところ。
このようにXPS 13 2020年モデルは、テンションの上がるほどのナローベゼルっぷりに加えて、基本性能や機能といった点でも2020年の高級モバイルノートPCとして第一線級の水準を備えた、隙のないモデル。
正直なところ、Thunderbolt 3端子はもう少し増やしてほしい、といった希望はありますが、完成度という面ではXPS 13自体が長く続いてきたシリーズということもあり(初代モデルは2012年発売)、デル製品の中でもかなり高いレベルとなっています。
筆者が個人的にも気になっていた米国版との価格差も予想以上に小さく、さらにセールの割引率が大きいことから、期間内であればむしろ日本購入が有利な価格設定になっている点も注目できます。
CESなどでの既報を見て気になっていた方は、セール期間中の購入が良さそうです。