道三(本木雅弘)の命を受けた光秀(長谷川博己)は、鉄砲の作り方に加え、なぜ将軍家が鉄砲を大量に必要としているのか探るべく、再び京へ向かう。腕利きの鉄砲鍛冶・伊平次を探しやってきた本能寺で、将軍・足利義輝(向井 理)の護衛でやってきた三淵(谷原章介)と再会をする。将軍家も伊平次を探しているが忽然(こつぜん)と姿を消したという。三淵に連れられて松永(吉田鋼太郎)の元へ向かった光秀は、松永から、鉄砲の真の力とはお互いをけん制させ、戦を減らす抑止力になることであると聞く。
「麒麟がくる」をより楽しんでいただくために、ドラマ上の設定や展開、世界観をわかりやすく解説します。
光秀が伊平次を探して訪れる鍛冶場・国友村(くにともむら/現在の滋賀県長浜市国友町)は、古くから製鉄技術が伝わり、質の良い鉄材も入手できたことから、種子島から鉄砲が伝来してすぐの天文13年(1544年)には、国産の鉄砲を生産していたとも言われています。
鉄砲は、根来(ねごろ)・堺(さかい)でも生産されていますが、国友村では足利将軍からの命によって生産がはじまり、のちに信長、秀吉、家康の天下取りを支え、堺と競った鉄砲鍛冶の村で、幕末まで国産鉄砲を生産していました。
また、本能寺は早くから種子島や堺で布教活動をおこなっていました。その種子島に鉄砲が伝わります。そのため、種子島にたくさんの信者をもつ本能寺に依頼すると、鉄砲や火薬の入手がしやすかったと言われています。
室町時代末期、京の都では政権争いや内乱が絶えず、度重なる戦火に街は焼かれ、公家や僧侶、将軍までもが逃げだすほどでした。
第5回で放送の天文17年(1548年)秋頃は、管領家の細川晴元が家臣である三好長慶に支えられて幕府の実権を握っている状態でした。