佐藤優が説く「下品な人に心削られない働き方」

会社で急増?自分勝手であまりに図々しい人

つねに競争圧力にさらされているビジネスパーソンが生き残るには?(写真:metamorworks/PIXTA)
近年、日本社会が急速に新自由主義化したことで、ビジネスパーソンはつねに競争圧力にさらされています。新自由主義を推進すると弱肉強食の社会になり、格差が一段と拡大。その結果、「メンタル面での不調を訴える人が増えている」と、元外交官で作家の佐藤優氏は指摘します。
社会が厳しさを増すなか、心が折れることなく強く生きるにはどうしたらいいのか? 佐藤氏の新刊『メンタルの強化書』をもとにひもといていきます。

繊細で優しい人は勝ち組になれない

十数年前くらいになりますが「勝ち組」「負け組」という言葉がちまたで盛んに使われ出しました。社会は経済的に恵まれる「勝ち組」と、貧困にあえぐ「負け組」の2つに分化していくということで、はたして自分がどちらの組に入るか?と衆目を集めました。

勝ち組に入るためには何をするべきか、負け組にならないために何をするべきか──。雑誌や単行本、テレビなどでも盛んに取り上げられました。嫌な言葉だと思いますが、最近あまり聞かれなくなったのは、すでに「勝ち組」と「負け組」が決まり、固定化したからかもしれません。

ちなみに可処分所得の中央値の半分以下を「相対的貧困」と呼び、その割合を「貧困率」と呼びます。厚生労働省が出している最新の数字は15.6%(2015年)となっています。1985年の12.0%から漸次上昇しています。

相対的貧困率が高いということは、格差がそれだけ大きいということです。かつて、一億総中流と呼ばれた面影はどこにもなく、今や日本は国際社会の中でれっきとした格差社会となっているのです。

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  • ネガティブプラス思考d97cde8a9067
    ひと昔前の中身の無い時代に、切磋琢磨し合う競争ではなく、騙して陥れ合い蹴落とし合うだけのダメな競争社会が流行ってしまった。
    どんなに能力があってもルール無用では悪人には絶対に勝てない。

    改革だとかどんなに法律を作っても無意味。取り締まりがザルなので違法に網目を抜けるだけ。

    資本主義なら社会福祉‥育児や教育などは資本家の資本によって成り立つ。教会や資本家の寄付での社会全体への先行投資。それによって社会が発展する。
    だが日本の資本家は自身の目先の金儲けしか考えず人的先行投資という考えが無い。人は使い捨ての駒。

    その割に自助意識の低い人が多い。年金や正社員神話で会社や自治体に依存して公助に頼る。社会主義的思想者が多い。犯罪に対しても自助より公助。

    無法地帯では悪人には絶対に勝てない。
    そして最後に頼れるのは自分自身のみ。
    それが人の世。
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    2020/2/14 09:51
  • AJRAbdebf3631e11
    自分の生き方、自分のやり方、自分の発言の全てが正しいと、それを押し通すことだけで生きているから、人間関係が上手く行かなくなります。
    そして、どんなに何を思っても何をやって、自分だけが正しいと思って生きている人は幸せにはなれない。 自分の生き方だけが正しいと思っている人は、自分で“不幸”を作っています。自分は、間違っていないと思って生きる人は、自分で“不運”を生産していると同じです。イラっとしたら、どこか自分が悪いと思わないと、人間関係を上手く運ぶためにも、互いに少し悪いところがあると思えないといけない。
    up9
    down8
    2020/2/14 09:05
  • 往復d3b0996b0473
    辞めるしかないよ(*_*)
    up2
    down6
    2020/2/14 10:19
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