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【東京】「中村医師は私たちの目標」アフガンスタッフ報告会 100人参加「遺志継いでいく」
アジアの子どもに日本の絵本を送る活動をしている公益社団法人「シャンティ国際ボランティア会(SVA)」(新宿区)アフガニスタン事務所のスタッフらが来日し、十二日夜に千代田区内で報告会が開かれた。現地で活動していた医師中村哲さん殺害事件に触れ、スタッフは「中村さんはアフガン人にとってヒーローだった。遺志を継いでいきたい」と決意を新たにしていた。 (杉谷剛) 報告したのは、ワヒド・ザマニさん(43)とハミドゥッラー・ハミドさん(33)。SVAは、これまでアフガニスタンの百五十八カ所に図書館を設け、現地語訳を張った日本の絵本を約一万三千冊送っている。また、給水用の井戸を開設したり、女性センターをつくって識字教室を行ったりしている。 昨年十二月、NGOのペシャワール会現地代表だった中村さんが武装集団に殺害された夜、「市民が集まってろうそくをともし、子どもまで悲しんで涙を流した」とハミドゥッラーさん。ワヒドさんは「美しいアフガンを取り戻したいという中村さんの復興へのかかわり方は、私たちの目標になっている」と話した。 ワヒドさんによれば、アフガニスタンでは戦争で毎年一万人近い市民が死傷し、四割は女性や子どもだという。教育施設は全滅の状態だったが、日本はじめ国際社会の支援で半数近くが建設された。「教育を受けられる女子児童が、地方にも増えているのはポジティブ(前向き)な変化」とワヒドさん。 報告会には約百人が参加した。ハミドゥッラーさんは「紛争や干ばつで家を離れる国内避難民が昨年一年間だけでも四十三万人。その三分の一が劣悪な水資源を利用し、亡くなる人も多く報告されている」と話し「日本とアフガニスタンは本当に友好的。アフガニスタンのことを忘れないでください」と訴えた。 SVAはタイやカンボジア、ネパールなどで教育を支援し、これまでに約三十一万二千冊の絵本を送っている。 PR情報
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