中日の与田剛監督(54)が「4番・ビシエド」の固定観念を捨てた。13日に北谷球場で行われたDeNAとの練習試合のスターティングオーダーは3番がダヤン・ビシエド内野手(30)で、4番に阿部寿樹内野手(30)を起用。与田監督が“聖域なき打線改革”に乗り出した。
「とにかく点を取るためにどうするか、それは打順だと認識している。それがうまく機能するようにということだけです」。この日は3番・ビシエドの先制2点タイムリーで試合を優位に運び、今季対外試合初勝利を呼び込んだ。
昨年のチーム打率2割6分3厘はリーグトップ。にもかかわらず、総得点563点はリーグ5位。本拠地が広いナゴヤドームのため、本塁打がリーグワーストの90本というのを差し引いても、効率の悪さは否めない。「とにかく点を取って、勝たないといけない。理想と現実は、見極めていかないとと思う」。そう考える指揮官が重きを置くのは、今季の4番を誰に任せれば得点力向上につながるかだ。
昨シーズン、ほぼ4番に座った主砲ビシエドといえども例外ではない。昨年は6月上旬に調子を落とし、9試合だけ5番に入った。ただ、それ以外の134試合は4番でスタメン出場。もちろん今季も信頼すべき主力打者だが、今年は「4番固定」ありきではない。
「4番を自分が打ってやるんだというのも見せてもらいたい。僕らが促すことも必要になってくる。阿部も福田も『自分が狙います』ということは言っている」
今後の練習試合、オープン戦では4番を含め、固定観念を捨ててさまざまなオーダーを組んでいく。