相模原殺傷事件公判 植松被告「両親に止められた」

2020/2/6 18:23

相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人を殺傷したとして殺人などの罪に問われた元施設職員、植松聖被告(30)の裁判員裁判は6日、被害者参加制度に基づき被害者家族らの代理人弁護士が被告人質問に立った。植松被告は犯行計画を両親に話し、「悲しむ人がたくさんいる」と止められていたことを明かした。

代理人弁護士が「(両親の言葉を)どう思ったか」と尋ねると、植松被告は「『たしかにな』と思った」と答えた。

事件で殺害された男性(43)の家族の代理人弁護士から「両親に愛されて育ったか」と尋ねられると「いろいろ手をかけていただいた。不自由なく生活させてもらった」と答えた。さらに「あなたが殺されたら両親はどう思うか」と尋ねると「悲しむと思う」と回答。「(事件の)遺族の気持ちと同じなのでは」と問われると「人によっては同じだと思う」と応じた。

殺害された美帆さん(19)の遺族代理人弁護士は「美帆さんは人間ではないということですか」と質問した。植松被告は「人間として生活することはできないと思います」と答えた。

今後、被害者参加制度で公判に参加する遺族らの意見陳述も行われる予定。2月17日の論告求刑、同19日の最終弁論を経て、3月16日に判決が言い渡される見通し。

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