「ドクターストップ」はどこまで強制力があるか

高校生の選手生命をつぶさずに済んだ事例も

競技中のケガはスポーツにはつきもの。ドクターストップはどこまで強制力があるものなのでしょうか(写真:andresr/iStock)
ケガや障害を抱えたスポーツ選手が、「選手生命に関わる」と医師に反対されても、それを押し切って大事な試合に臨む……。マンガやドラマで、よく描かれるシチュエーションです。実際、競技中、もし選手の身に危険が及べば、会場にいるドクターが「ドクターストップ」をかけて競技の続行を止めさせます。では、それが選手の意向に反した場合にはどこまでの強制力があるのでしょうか。そんな疑問に、日本臨床スポーツ医学会理事長の松本秀男医師に答えてもらいます。

試合や大会などのスポーツ競技の現場では、極限までトレーニングを積み重ねてきた選手たちが、頂点を目指して全力で戦っています。そんな大舞台で、選手自身の大事な「命」はもちろん、現役選手の「選手生命」を守ることは、試合会場にいる「会場ドクター」に課せられた重要な使命です。

当記事は、AERA dot.の提供記事です

会場ドクターは、ラグビーではマッチドクター、ボクシングではリングドクターなどとも呼ばれます。会場ドクターは、選手たちがどんな状況でケガをしたかを把握できるように、試合をすぐそばで観戦しています。もし、選手がケガにより出血したり、転倒や接触により強く頭を打ったりすれば、会場ドクターが試合の一時中断を要請して、選手の試合続行が可能かどうかを判断します。

中でも、脳振とうや脱水による意識障害は、とても危険な兆候です。例えばラグビーでは、ビデオ判定システムも導入されて、会場ドクターが脳振とうを起こしている選手をすぐにプレーから離れさせて診断していることは、すでに以前の連載で紹介したとおりです。

その場での医学判定が必要なスポーツ、ボクシング

ラグビーのほかに、その場で重要な医学的判断が必要なスポーツといえば、ボクシングが思い浮かぶでしょう。ボクシングの試合を見ていると、目の上が切れて出血した選手が、ドクターチェックを受けるために試合が中断される場面がよく見られます。このときリングに上がっている医師が、リングサイドに控えていたリングドクターです。

リングドクターは、パンチによるケガの重症度や脳に異常がないかどうかを診断し、ドクターストップを要するかの判断をします。万が一、脳に急性硬膜外血腫などの損傷があれば、すぐに病院で治療しないと選手が死亡する危険もあるのです。

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  • ORA-60011068b9a8e26c
    青島幸男がやったインチキなハンガーストライキにドクターストップをかけたインチキ医者を思い出した。
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    2020/2/12 22:02
  • Coppi104865e75190
    ボクシングを含めた格闘技の選手は言い方変えると相手を殺す勢いで立ち向かっていきますので、スポーツという範疇ではありますが、倒すという目的に躊躇はしません。そのため、ドクターストップの前にレフリーストップというのがあり選手も安心して殴り合い出来ます。
    ドクターストップ、レフリーストップというのそこに多くの夢や努力、お金がかかっていてもまず、選手の命、将来を守るという意味から必要不可欠ではないでしょうか。
    いつだったか高校野球の投手の肩を案じて登板させなかった監督の英断も、批判はありますが、支持されるべきものだと思います。
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    2020/2/12 23:41
  • b31fc2e9370d
    この話って、”医者”の立場で全然違うだろう。
    競技で中立的な立場ならとんねるずの昔のネタではないが、”死んだら負け”の話になるし、その寸前までドクターストップは出せないだろうし、競技者側の立場になれば、ケガの度合いで競技者、チームの損得を計算してドクターストップがでるだろうな。
    チームドクターは法的な強制力そのものは無いだろうけど、助言はしているし、それを受け入れなければ”知~らない”という所の話だろうし、競技のドクターなら”あの世に行くよ”と言われてるのだから、従わないとまずい話なるし、その医者が”殺人”を見過ごした話になるから、医師法とかには競技を止められるかは知らないが、刑法の話になるわな。
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    2020/2/12 19:29
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