スタッフの役割
看護師
野田 文子 副看護部長 当病院では、2交代で24時間の看護体制をとっています。看護スタッフは次のような役割を持っています。
(1)患者さんが安心して入院生活を送れるような生活環境づくりと生活指導
(2)他の治療スタッフとの連絡調整
(3)患者さんの看護計画の立案と実施
(4)身体上の看護ケア
入院すると、その日の内にあなたの看護ケアを担当する“受け持ち看護師”が紹介されます。入院中、目標や為すべきことを決める際に、要望を聞き、助けとなってくれる看護師です。受け持ち看護制ではあっても、他の看護スタッフと接することが制限される訳ではありません。入院期間中、多くの看護スタッフと接することで自分の治療に生かしてください。看護スタッフは患者さんの精神状態はもちろん、身体状態について常に見守るべき責任を持っています。精神的あるいは身体的配慮が必要と判断した場合、看護スタッフは環境を変えたり、行動範囲の制限(例えば、病棟外で行われるレク活動の参加を禁止する、責任レベルを変える、特別な注意や予防策を講じる、外出外泊を禁止したり変更する、あるいは安全のため病室に鍵をかける等々)を治療チームに提言します。その後、チームスタッフミーティングが開かれ、そこで討論され、決定が下されます。 また、看護スタッフは適切な看護ケアや処置も行います。どんなことでも相談に来てください。どんな事柄であってもアドバイスを受けることは、あなたの助けとなるでしょう。主治医の判断が必要と思われる時には主治医に連絡します。さらに、看護師は服薬の介助をするだけでなく、今飲んでいる薬に関する情報を患者さんに伝える役割も担っています。薬に関して疑問に思ったことは看護師に尋ねてください。時には、看護スタッフが患者さんに代わって主治医や薬剤師に伝えなければならないこともあります。なお、当病院では薬剤師によるDI(薬剤情報管理指導)サービスもおこなっています。詳しくは、後述の「薬剤師の役割」をお読みください。
精神科ソーシャルワーカー
徳永 浩子 精神保健福祉士主任 精神科ソーシャルワーカーは、精神科の患者さんの病気の特性や長期化によって生じる経済的負担、生活自立の支援、その他の社会生活困難を予防または解決するため、各種の社会福祉・保障制度やサービス等、現在の社会資源を活用するなどして安心して治療生活が送れるように援助・協力します。 また患者さんの社会参加、健康維持を助け、患者さんやそのご家族が自主的、建設的に問題解決に取り組むことができるよう援助します。入院中、通院中のすべての患者さんについて、担当のPSWが相談を受け、援助できるような体制を取っています。
具体的には次のような仕事を行っています。
- 経済的な相談・援助(生活保護、傷病手当、限度額認定証、障害年金、自立支援医療制度についての説明など)。
- ご家族や職場との面接による家族関係の調整や職場環境の調整を行うなどの援助。
- 生活指導とグループ活動を通した社会復帰への援助。
- デイ・ナイトケア、職業リハビリテーションプログラム、訪問看護、保健婦の訪問の利用の説明。
- 住居リハビリプログラム(グループホーム、社会復帰施設等)の利用についての説明やその他の施設の紹介。
- 精神障害者の地域生活を支援する様々なサービスの提供と情報提供。
- 家族会の主催を通した家族への医療に関する情報の提供と交流。
- その他、入院手続き、福祉手帳についてなど、精神保健福祉法に沿った種々の手続き、告知等。
作業療法士
矢野夕紀 作業療法士主任 仕事・芸術活動・運動・レクリエーション・料理など生活全般にわたる諸活動を用いて治療を行います。グループ単位の活動をより重視し、その中で作業療法士(OTR)は様々な活動プログラムを提供します。また、他のメンバーと一緒にスムーズに活動できるように援助したり、グループのリーダーとしての役割をとることも作業療法士の仕事です。さらに、レクリエーション療法の一環として、病院全体の行事も運営しています。私たちは、患者さんがグループでの体験、あるいは活動を通して自分自身の能力を再発見し、メンバーの一員として所属感、安心感、信頼といった感情を持てるようになることを期待しています。このように、患者さんが集団の中で様々な経験をし、その体験を振り返ることで、より一層社会に適応していけるようになると考えています。
臨床心理士
臨床心理士の役割は、患者さん一人一人の心の状態や対人関係のあり方、また患者さんを取り巻く病棟全体の状況を心理学的に把握し、それらをチームにフィードバックしたり、患者さんに適切なアドバイスを与えることによって、チーム医療の下で治療がより効果的になるように努めることです。 具体的には、次のようなことを行います。
- 患者さんの外見からは理解できない問題点や、治療の進行に伴う心理状態の変化を把握するために、面接をしたり、様々な種類の心理検査を患者さんの状態に合わせて行います。また、それによって患者さん自身も自分についての洞察が深められるよう援助します。
- 患者さんのニーズや主治医からの依頼により、カウンセリング、個人精神療法、遊戯療法、家族療法、集団精神療法等を行い、患者さんが自分の問題に取り組んでいくことを援助します。カウンセリング、個人精神療法などを希望する場合は主治医に相談してください。
薬剤師
原 宣子 薬局長 あなたの主治医の処方による確実な調剤と薬剤情報管理指導(DI)を主たる役目としています。
- 医薬品の情報・資料の収集および整理:医師の処方した薬の作用、副作用、相互作用、注射剤の配合変化などをチェックし、薬剤が適切に使用されるように治療チームに情報を提供します。
- 服薬指導:患者さんが有効かつ安全な薬物療法を不安なく受けられるように、インフォームド・コンセント(説明による納得と同意)に基づき、適切な説明や助言を行います。
臨床検査技師
重松 孝子 検査主任 臨床検査技師は、血液・尿・便等の物質を分析する検体検査と、患者さん自身そのものを対象とする臨床生理学的検査や採血行為を業務としています。主に、検査室内で業務を行いますが、直接病棟へ出向き、検査を行うこともあります。
また、糖尿病、高血圧症などを合併している患者さんに対して「生活習慣病改善グループ」に参加し、検査の内容や結果についてわかりやすく説明しています。さらに院内感染防止対策に従事しています。
事務部門
平山 文也 事務部長 主に、「受付・会計業務」、「電話対応」、「保険請求業務」、「各種診断書の受付、各種申請手続きの受付・相談」を行っています。
患者が最初に訪れる場所であることからも、迅速、丁寧に対応できるよう常に心がけているます。
また、年々複雑化している医療制度に対応できるよう、勉強会を行い、事務職員のレベルアップに努めています。
管理栄養士
松永 真由美 栄養課主任 病院給食における、栄養管理業務を担当しています。その献立は性、年齢、症状などによって決められた栄養所要量に沿って作成し、提供しています。さらに、医師の診断によって食事療法が必要であると判断される場合には、医師から指示される栄養量の食事箋に基づいた治療食(特別食)の献立を作成し、提供します。また、入院中あるいは外来通院中の患者さんの中で、特に食事療法が必要な患者さんを中心に栄養指導を行います。