米軍さえ太刀打ちできない「中国の極超音速兵器」その恐るべき実力

探知も追尾も、迎撃も難しい…
峯村 健司 プロフィール

地球上どこでも1時間以内に攻撃可能

ウェーブライダーの存在が知られるきっかけとなったのは、2014年1月の米保守系ニュースサイト、ワシントン・フリービーコンの報道だ。「中国が大陸間弾道ミサイルに搭載したウェーブライダー(「WU14」)をマッハ10で発射することに成功」と報じたのだ。この際、中国側は何の反応も見せなかった。

その4年後、2018年8月。中国西部のある実験場で、「星空2」という名のロケットが打ち上げられた。搭載されていた飛翔体は、上空で分離されると高度30kmをマッハ5.5~6の超音速で飛び、10分弱後、想定の落下地点に着弾した。この様子を、中国メディアは大々的に報じたのである。

これはつまり「完成した」という意思表示であり、米国に対する「脅し」ともいえる。

 

その新兵器がついに昨年、堂々と軍事パレードでお披露目となったわけである。小野田氏はパレードの映像を見終わると、「極超音速兵器やステルス、無人機などの技術においては、すでに中国は米軍を追い抜きつつある。いずれの新型ミサイルも、米国や日本の防衛システムで迎撃することは難しい」と険しい表情で述べた。

米軍戦略司令官を務めたジョン・ハイテンも「いまの米軍のミサイル探知衛星やレーダーでは、中国のウェーブライダーには対応できない」と率直に認めている。米軍は「地球上どこでも1時間以内に攻撃できる」ウェーブライダーに警戒を強めるとともに、自軍でも同様の兵器の開発を急いでいるが、まだ成功していない。

この米国の動きは何を意味するのか。「ウェーブライダーを迎撃するのは不可能だから、同じ兵器を保持し、均衡を生み出すことでしか対応できない」ということなのだ。