米軍さえ太刀打ちできない「中国の極超音速兵器」その恐るべき実力

探知も追尾も、迎撃も難しい…
峯村 健司 プロフィール

マッハ4で撃ち込まれる弾頭

2019年10月1日、北京において、建国70周年を祝う軍事パレードが行われた。その中継映像を、私は小野田治・元航空自衛隊航空教育集団司令官と席を隣にし、注視していた。 

このパレードで初公開されたのが、新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「DF(東風)41」。最大射程は1万2000km以上と推定され、ワシントンも射程に収める。他にも、「グアムキラー」の通称を持つ中距離弾道ミサイル「DF26」や、私も過去に取材したステルス戦闘機「J(殲)20」、ステルス無人機「CH(彩虹)7」など、最新鋭の兵器がお披露目された。

なかでも小野田氏と筆者が注目したのが、ウェーブライダーを搭載する前述の中距離弾道ミサイル「DF(東風)17」の存在だ。実戦配備されれば、世界初となる。

 

ウェーブライダーの性能について、説明が必要だろう。ウェーブライダーとは、ミサイル搭載型の兵器である。飛翔体をロケットの推力でマッハ5以上まで加速させて切り離し、超音速の空気を取り入れて燃焼させるスクラムジェットエンジンによって、さらに加速させる。

この飛翔体は着弾時にもマッハ4という超スピードを維持しているため、弾頭に爆薬を積まなくとも、撃ち込むだけで大きな破壊力をもつ。

2019年の軍事パレードでお披露目された「DF(東風)-17」(Photo by gettyimages/朝日新聞)

いちばんの脅威は、迎撃が限りなく難しいところだ。ICBMのような弾道ミサイルは、弧を描いて飛翔する。そのため、衛星やレーダーの情報をもとに、発射地点、角度、速度を探知して、迎撃を図ることになる。ただ、このような迎撃システム自体も、予めミサイル発射を事前に察知して初めて迎撃が可能になるため、実際のところは迎撃が難しいのが現実だ。

対してウェーブライダーは、ある地点で別の飛翔体から切り離され、滑空して攻撃してくる兵器であるため、射程や軌道を予測することがほぼ不可能である。しかも小型でレーダー反射面積が小さく、低高度を飛行できることから、探知、追尾及び迎撃が非常に難しい――。