捕手登録されていない選手が、捕手として試合に出場すること。
またその試合の記事等で用いられる表現を指す。
概要 
捕手は他のポジションに比べ代えが効きにくく、プロ野球では出場メンバーに2~4人の捕手を登録するのが一般的である。また緊急事態を想定し、最低1人はなるべくベンチに残しておくのがセオリーである。
しかし登録捕手が全員出場不可能になってしまうことも稀に起こり、他のポジションの選手がマスクを被らざるを得ない時もる。
基本的には捕手経験のある者が担当する。
事例 
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| | 1977年4月30日 阪神VS大洋戦
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阪神は7回裏、正捕手・田淵幸一と二番手捕手・片岡新之助が相次いでファウルチップにより負傷(田淵は、片岡は右手中指直撃→骨折)し、三番手捕手・大島忠一も代打で出場済だったことから捕手を使いきってしまう。そこで8回裏途中からが捕手を務め、試合も阪神が5-4で逃げきった。
なお池辺の捕手経験はプロアマ通じてこの試合のみであった。
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| | 1991年9月26日 ダイエーVS近鉄戦
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近鉄は3人の捕手全員に代打を送り捕手を使いきってしまう。そこでが捕手を務めたがダイエー(現・福岡ソフトバンクホークス)に6-7で敗戦。当時の近鉄は西武と優勝争いを繰り広げていたが、10月3日に西武優勝が決まり結果として痛い敗戦となった。
なおこの試合を除いて、金村に捕手経験は無かった。
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| | 1993年7月3日 横浜VS阪神戦
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横浜は二番手捕手・秋元宏作の代打にを出し、タイムリーツーベースで横浜は同点に追いつく。そして9回・10回とマスクを被り、試合は横浜が7-6でサヨナラ勝ちした。
なお宮里は入団当時捕手だった。
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| | 1995年5月7日 ロッテVSオリックス戦
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ロッテは当時風疹が流行り、三番手捕手・福澤洋一がベンチを外れた試合。
スタメンとして起用された二番手捕手・山中潔が代打で退き、代わりに出場した正捕手・定詰雅彦も退場となってしまい捕手を使いきってしまう。やむなくが捕手を務めた。なお試合はオリックス・ブルーウェーブ(現・オリックスバファローズ)に6-11で敗戦した。
五十嵐は中学生の頃に少し練習しただけという正真正銘の急造捕手だった。なお五十嵐はNPB史上においてと という偉業を両方達成した唯一の選手である。
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| | 2006年9月10日 中日VS広島戦
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広島はスタメン捕手のをベンチに下げ、が7回からマスクを被った。この試合は代打が送られたわけでもなく、また内外野こなせるユーティリティプレイヤーとはいえ控え捕手としてが残っていたにも関わらず本職ではない井生が捕手起用された珍しい事例だが、試合は4-12で敗戦した。
当時は捕手たちの不甲斐なさに対する叱責の意味を込めたによる起用といわれる。
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| | 2009年9月4日 巨人VSヤクルト戦
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巨人はスタメン捕手・鶴岡一成の途中交代によりがマスクを被るが、頭部死球で負傷退場。しかもこのとき正捕手のもベンチに下がっており捕手を使いきってしまった。この時急遽捕手を務めたのが代打から試合に出場し、であった。延長12回に捕手として出場すると・藤田宗一・野間口貴彦というタイプの違う三投手を自分でサインを出して上手くリードし、1球も逸らすこともなくこの回を無得点に抑え絶体絶命のピンチから脱した。木村が守備を終えてベンチに戻る際には球場全体から大きな拍手と歓声で迎え入れられ、このシーズンの巨人を象徴するシーンともなった。試合は3-3の引き分け。
なお木村は日本ハム入団時は捕手であり、実際に急造捕手に備えて練習もしていたが、実際に捕手として出場したのは10年ぶりであった。
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| | 2012年5月10日 楽天VS西武戦
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西武はものの、8回裏に楽天に再逆転を許してしまう。この再逆転となったホームクロスプレーの判定に西武の捕手、星孝典が抗議したもののその際に球審を小突いてしまったため暴力行為で退場となった。この試合では、、星孝典の捕手3人がベンチ入りしていたが、炭谷は先発出場して代打のと交代、その米野に代わって星孝典が守備に就いており、上本も指名打者で先発出場してと交代した後だったため控え捕手が残っておらず、が8回裏2アウトの場面から急遽捕手を務めた。試合は楽天がそのまま逃げ切ったため、星秀和は打者一人のみの守備機会となった。
なお星秀和は入団当初は捕手であり、一年目にはファームで捕手としての出場経験がある。
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| | 2016年4月17日 阪神VS中日戦
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阪神は9回表に代打攻勢を送り同点に追いつくも延長戦にもつれ込み、二番手捕手・に代打・を送ったため捕手を使いきってしまった。このため三塁手に転向していたが3年ぶりに捕手を務めたが、2-4で延長サヨナラ負けを喫した。
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| | 2017年6月6日 ツインズVSマリナーズ戦
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ツインズは3-12と9点ビハインドの9回表にこの日スタメンマスクを被っていたクリス・ジメネスをマウンドに上げ、空いた捕手を指名打者で出場していたが務めた。結果は大敗であったが、ジメネス-エスコバーの「急造バッテリー」は1回を三者凡退に抑えた。なお、エスコバーはマイナー時代を含めて捕手経験はこの試合までなかった。
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| | 2019年4月7日 オリックスVS楽天戦
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楽天は3点を追う9回表、捕手の足立祐一に代打を送りこれを起点として猛攻、。しかし一軍に登録していた捕手2人の内、は試合途中で既に交代していたため捕手がいなくなってしまった。
このため9回裏からが1軍公式戦で初めてマスクをかぶり、フランク・ハーマン、森原康平とバッテリーを組み、9回2死一塁の場面では、見事等の活躍も見せ、5-5の引き分けに持ち込んだ。銀次は9回裏から延長12回裏までの4イニングを捕手に就いたことになり、急造捕手としては異例となる守備機会の長さであった。
また楽天公式ツイッターにはと呟かれ、ツイッターのリアルタイム検索で銀次の名は1位へ駆け上った。
なお銀次は捕手として楽天に入団。1軍の試合でマスクをかぶったのは09年のオープン戦のみで、2軍で36試合マスクをかぶった後内野手に転向していた。
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関連項目 