僕たちは赤ちゃんを買おうとしてるんだよ
これから私がここに書くこと、きっと聞きたくないと思う方、賛成できないと言う方たくさんいると思います。
でもできればそういう方にも最後まで読んでもらえたらいいなと思います。
* * * * * * *
ある日郵便受けをみると、知らない養子縁組のエージェンシーのカタログが入っていた。
私達が養子縁組をしようとしてること、どっから聞きつけてくるんだろう。
個人のデータってどんどん漏れちゃってるんだな。
と思いながら封筒を開けてみると、養子縁組の手続きに関する資料が入っていた。
その中に費用の一覧も入っていて、それを見てビックリ。
海外からの養子縁組の費用が国別に出ていて、その下にアメリカ国内の費用もでていた。なんとその費用が、白人の新生児と黒人の新生児でかなり違っていた。
もちろん黒人の赤ちゃんをもらう場合の方がぐっと安い。
「ねえジョン、これ見て、ちょっとひどいよ。」
ジョンも不快感丸出し。
ジョン:「でもある意味現実を反映しているのだから仕方ないかもね。」
私:「でもこれじゃ、まるで私達が赤ちゃんを買おうとしてるみたいな気になっちゃうよね。安売りだから飛びついたみたいな」
ジョン:「そうだよ。僕たちは赤ちゃんを買おうとしているんだよ。僕はずっとそう思ってたよ。」
えっ、そうなの? でもその「買う」っていう言葉、やっぱり抵抗あるなぁ。
ジョン:「じゃあ、なんで僕たちはこんな高いお金を払ってるんだと思う?」
アメリカで国内の新生児の養子縁組をする場合、だいたい200万ぐらいかかる。
海外からもらう場合は300万から400万。
以前書いた様に、少し年齢の大きい子供や障害児を養子にする場合は逆に政府から補助金がでる。
ジョン;「お金を出せば出すほど、自分が望む子供を手に入れられるようになってるよね。だからみんな高いお金出して海外からもらうんじゃない?」
私:「でも私達だってお金を出して無理やりお母さんから赤ちゃんを奪い取ってる訳じゃないし、産みのお母さんだって自分で育てられないから養子にもらってくれる人を探している訳で、ある意味お互い様みたいなところもあるんじゃない?」
ジョン:「考えてごらんよ。もしも本当に産みのお母さんを助けたてあげたいなら、僕たちが養子縁組に使う費用を全て彼女達にあげればいいと思わない?
そしてそのまま経済的なサポートをし続けてあげればいいだよ。
そうすれば、彼女達だって子供を手放す必要もなくなるんだよ。
でも、僕たちはそういうことはしない。僕たちが望んでいるのはそういうことじゃないから。彼女達は貧しいから子供を手放さなくちゃいけない、そして僕たちはお金があるから子供を手に入れることができる。そういうことだと思うよ。」
確かに貧しいカップルが子供ができないからといって、お金のあるカップルから赤ちゃんを養子にもらうというケースはありえない。
貧しいカップルも不妊で子供ができないという状況は私達と同じなのに、養子縁組にかかる費用が払えないために、彼らは養子をもらうという選択肢までも奪われている。彼らは一生、子供をもつという夢をみることができない。
私達は子供が欲しくて、それをお金を出して叶えようとしているだけなのかな。
もちろん産みのお母さんの中には、貧しいという理由だけで子供を養子に出すことを決めた訳じゃない人もいると思う。でも子育てができる環境を整えてあげてもなお子供を養子に出したいという母親がいったいどれだけいるだろうか。
少なくともエリカは、環境が整ったら子供を手放したりしないと思う。
海外から養子をもらうと、産みのお母さんに会わずにいきなり赤ちゃんが来るから、見捨てられたかわいそうな子供を救うという気がしちゃうけど、国内の養子縁組だとエリカのような産みのお母さんの生活を目の前に見る事ができるのがいいと思う。
私達の喜びは、産みのお母さんの悲しみの上に成り立っている、という現実をしっかり見据えることができる。
私はやっぱり「買う」という表現には抵抗があるし、ジョンだって養子縁組の現実を表現したいだけで、本当はそんな風に思っていないことは知ってる。
そして私は、養子縁組のイメージを壊すことを望んでいる訳では絶対にない。
ただ、養子縁組を「美しいこと」だと疑わず、自分達は困っている産みの親とかわいそうな子供を救ったと信じ込んでいるカップルをみると、何かが違うと思わずにいられない。
少なくとも私はエリカと出会って、自分たちのしていることを見つめ直すことができてよかったと思う。
彼女という人間、そして彼女の状況を十分理解した上で、子供を受け取ることができるから。
そしてこの重みを感じながらエリカの赤ちゃんを育てていくことができるから。
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でもできればそういう方にも最後まで読んでもらえたらいいなと思います。
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ある日郵便受けをみると、知らない養子縁組のエージェンシーのカタログが入っていた。
私達が養子縁組をしようとしてること、どっから聞きつけてくるんだろう。
個人のデータってどんどん漏れちゃってるんだな。
と思いながら封筒を開けてみると、養子縁組の手続きに関する資料が入っていた。
その中に費用の一覧も入っていて、それを見てビックリ。
海外からの養子縁組の費用が国別に出ていて、その下にアメリカ国内の費用もでていた。なんとその費用が、白人の新生児と黒人の新生児でかなり違っていた。
もちろん黒人の赤ちゃんをもらう場合の方がぐっと安い。
「ねえジョン、これ見て、ちょっとひどいよ。」
ジョンも不快感丸出し。
ジョン:「でもある意味現実を反映しているのだから仕方ないかもね。」
私:「でもこれじゃ、まるで私達が赤ちゃんを買おうとしてるみたいな気になっちゃうよね。安売りだから飛びついたみたいな」
ジョン:「そうだよ。僕たちは赤ちゃんを買おうとしているんだよ。僕はずっとそう思ってたよ。」
えっ、そうなの? でもその「買う」っていう言葉、やっぱり抵抗あるなぁ。
ジョン:「じゃあ、なんで僕たちはこんな高いお金を払ってるんだと思う?」
アメリカで国内の新生児の養子縁組をする場合、だいたい200万ぐらいかかる。
海外からもらう場合は300万から400万。
以前書いた様に、少し年齢の大きい子供や障害児を養子にする場合は逆に政府から補助金がでる。
ジョン;「お金を出せば出すほど、自分が望む子供を手に入れられるようになってるよね。だからみんな高いお金出して海外からもらうんじゃない?」
私:「でも私達だってお金を出して無理やりお母さんから赤ちゃんを奪い取ってる訳じゃないし、産みのお母さんだって自分で育てられないから養子にもらってくれる人を探している訳で、ある意味お互い様みたいなところもあるんじゃない?」
ジョン:「考えてごらんよ。もしも本当に産みのお母さんを助けたてあげたいなら、僕たちが養子縁組に使う費用を全て彼女達にあげればいいと思わない?
そしてそのまま経済的なサポートをし続けてあげればいいだよ。
そうすれば、彼女達だって子供を手放す必要もなくなるんだよ。
でも、僕たちはそういうことはしない。僕たちが望んでいるのはそういうことじゃないから。彼女達は貧しいから子供を手放さなくちゃいけない、そして僕たちはお金があるから子供を手に入れることができる。そういうことだと思うよ。」
確かに貧しいカップルが子供ができないからといって、お金のあるカップルから赤ちゃんを養子にもらうというケースはありえない。
貧しいカップルも不妊で子供ができないという状況は私達と同じなのに、養子縁組にかかる費用が払えないために、彼らは養子をもらうという選択肢までも奪われている。彼らは一生、子供をもつという夢をみることができない。
私達は子供が欲しくて、それをお金を出して叶えようとしているだけなのかな。
もちろん産みのお母さんの中には、貧しいという理由だけで子供を養子に出すことを決めた訳じゃない人もいると思う。でも子育てができる環境を整えてあげてもなお子供を養子に出したいという母親がいったいどれだけいるだろうか。
少なくともエリカは、環境が整ったら子供を手放したりしないと思う。
海外から養子をもらうと、産みのお母さんに会わずにいきなり赤ちゃんが来るから、見捨てられたかわいそうな子供を救うという気がしちゃうけど、国内の養子縁組だとエリカのような産みのお母さんの生活を目の前に見る事ができるのがいいと思う。
私達の喜びは、産みのお母さんの悲しみの上に成り立っている、という現実をしっかり見据えることができる。
私はやっぱり「買う」という表現には抵抗があるし、ジョンだって養子縁組の現実を表現したいだけで、本当はそんな風に思っていないことは知ってる。
そして私は、養子縁組のイメージを壊すことを望んでいる訳では絶対にない。
ただ、養子縁組を「美しいこと」だと疑わず、自分達は困っている産みの親とかわいそうな子供を救ったと信じ込んでいるカップルをみると、何かが違うと思わずにいられない。
少なくとも私はエリカと出会って、自分たちのしていることを見つめ直すことができてよかったと思う。
彼女という人間、そして彼女の状況を十分理解した上で、子供を受け取ることができるから。
そしてこの重みを感じながらエリカの赤ちゃんを育てていくことができるから。
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