本紙評論家で侍ジャパンの井端弘和内野守備コーチ(44)が11日、野村克也さんの急逝に「僕の野球人生を切り開いてくれた恩人」と感謝の思いを語った。
中学生の時に城南品川リトルシニアに在籍していた井端氏は当時、野村さんの妻・沙知代さんがオーナーを務めていた港東ムースと対戦。投手として強豪相手に好投を見せたものの、惜敗した。この試合を当時は野球評論家だった野村克也さんが、偶然に観戦。井端氏の投球に目を奪われたという。
井端氏は神奈川県内の県立高校へ進学を予定。ところが、ある日、野村克也さんから突然、自宅に電話が入った。「本当にビックリしました。高校で野球やるのなら強いチームでやった方がいいと言われました。それで堀越を紹介していただいたんです」。さらに野村克也さんから井端氏の野球人生を変える言葉も添えられた。「君は投手よりも、遊撃手になった方がいい」。井端氏もこの言葉を信じ、堀越に入学すると遊撃手に転向。1993年には、甲子園出場も果たした。
「もし、野村さんから電話がかかってこなかったら、県立高校に入って投手をやっていたとは思います。そうなっていたら、絶対に今の僕もなかった。感謝しても、感謝しきれません」。井端氏は野村さんの突然の訃報に心を痛めた。