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【神奈川】20年度 川崎市予算案 待機児童・虐待防止に重点川崎市は十日、二〇二〇年度の当初予算案を発表した。一般会計は前年度比4・4%増の七千九百二十四億円で、六年連続で過去最大を更新した。昨年十月の台風19号による被害復旧や、児童虐待への対応を強化する人件費などがかさみ、実質的に赤字予算となった。赤字分の百二十億円は減債基金から借りてまかなうが、これまでの見込みよりも赤字が拡大。厳しい財政状況が浮き彫りになった。 (大平樹) 歳入では、人口増により個人市民税や固定資産税が増えた一方で、税制変更や企業業績の悪化で法人市民税が減少。市税は三億円減の三千六百三十四億円となった。市税の減少は八年ぶり。本庁舎の建て替えや京急大師線連続立体交差事業が進み、市債発行は百七億円増の六百五十四億円。 歳出のうち義務的経費は、百十二人の職員増などにより人件費が三十七億円増の千五百四十六億円。国の方針に沿って児童虐待防止対策を進めるために児童相談所の職員を増やすほか、市立小学校の学級増に伴って教員も増やす。扶助費は、保育事業費や障害者サービス利用者の増加などを受け、百三十一億円増の二千九十一億円。歳出に占める割合は0・6ポイント増の26・4%で、金額、割合ともに過去最高になった。 市が力を入れる待機児童対策には、六十六億円増の七百七十四億円を計上。認可保育所の受け入れ枠を千四百六十人増やすほか、二一年度に千四百三十五人増やすための整備を進める。地域の保育拠点となる保育・子育て総合支援センターは、中原区で建築工事を、宮前区で実施設計を行う。保育士確保に向けて、既存の処遇改善制度を拡充し、就職相談会によるマッチングも行う。 ◇川崎市の20年度当初予算案※かっこ内は前年度当初比 一般会計 7924億6332万円(4.4%) 特別会計 4859億 61万円(-2.9%) 企業会計 2069億1895万円(2.6%) 合計 1兆4852億8287万円(1.7%) ◆台風復旧に81億9000万円昨年十月の台風19号による被害を受け、川崎市は、多摩川からの逆流で市街地に浸水被害をもたらした「排水樋管(ひかん)」の水門を改良する費用を計上した。ほかにも地下収蔵庫が浸水した中原区の市民ミュージアムの収蔵品修復を進めるなど八十一億九千万円の復旧費用を計上した。 市によると、水門の改良などには、二〇一九年度補正予算と合わせて八億六千万円を費やす。逆流した中原、高津、多摩の五カ所の樋管について、監視カメラと水位計の設置や手動ゲートの自動化を施す。毎分三十立方メートルを排水できるポンプ車も四台導入する。 市民ミュージアム関連では六億円を計上。このうち、浸水被害に遭った収蔵品の修復委託費に三億円を見積もっているが、市は具体的な作品や量をいまだ明らかにしていない。他に、搬出した美術品や紙資料の保管に七千万円、復旧に協力している関連団体への負担金六千万円、浸水で損傷した地下収蔵庫の天井撤去工事に数千万円かかるという。 このほか、川崎区殿町と東京都大田区の羽田空港周辺をつなぐ「羽田連絡道路」の工事が、多摩川上流からの土砂が川底にたまって進められなくなっているとして、土砂の浚渫(しゅんせつ)に三十億円を盛った。浸水被害に遭った住宅の解体費用などに十九億円、多摩川緑地の復旧に十二億六千万円をそれぞれ計上した。 (大平樹) ◆ヘイト条例担当課 施行備え4月新設川崎市は、昨年12月に制定したヘイトスピーチ(憎悪表現)に罰金の刑事罰を科す全国初の条例「人権尊重のまちづくり条例」の具体化に向けて新年度、相談員の新規雇用や、インターネット上のヘイト情報収集などを進める。7月1日の全面施行に備えて、条例内容の啓発にも取り組む。当初予算案に2289万円を計上したほか、4月1日付の組織改正で条例の担当課を新設する。 市によると、条例では市に、人権侵害に遭った市民から相談を受けて支援することを義務付けていることから、約300万円かけて専門の相談員を配置する。これまで市職員が行ってきたインターネット上の情報収集作業は外部委託する。費用は約400万円を見込んでいる。予算案には、条例で定めるヘイト行為に当たるかどうかを判断する審査会委員の報酬も含んでいる。 組織改正では、人権・男女共同参画室内に人権尊重のまちづくり担当課長を新設し、課長以下3人の課員が条例に関する業務を担う。同室内の外国人市民施策担当課長と、市民生活部内の交流推進担当課長はそれぞれ廃止し、外国人市民代表者会議などこれまでの外国人市民施策は、多文化共生推進課の施策調整担当課長が受け持つ。 (大平樹) ◆20年度の主な事業<待機児童対策>認可保育所などの受け入れ枠拡大 561億円 認可保育所などの整備 50億7800万円 認可外保育施設への支援 59億8700万円 <そのほかの子ども・教育>児童虐待防止対策の推進 5億4200万円 <健康・福祉>介護ロボットの導入支援など介護人材の確保と定着支援 2億2200万円 市立小中学校で健康給食を推進 52億8600万円 <産業・経済>川崎区の臨海部の交通ネットワーク改善 6800万円 外国人観光客向けに夜間の観光盛り上げ 5100万円 <災害対策>市役所本庁舎の建て替え 24億7000万円 五反田川放水路の整備 18億6600万円 報酬引き上げなど消防団の強化 2億2700万円 <市民生活>東京五輪・パラリンピックを契機としたまちづくり 8億1300万円 登戸駅などにホームドア整備 4500万円 ※100万円未満は切り捨て PR情報
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