受発注仲介サイト?
金興光:はい。サイトには様々なソフト開発の発注案件が載っています。例えば「炊飯器の組み込みソフトをいついつまで開発してほしい」といった案件です。これを見て、180部隊のフロント企業が応募しています(筆者注:金興光氏が名前を挙げた受発注仲介サイトの運営会社は東京・渋谷に本社を置いていた。帰国後、経営陣に取材を申し込んだが、応じることはなかった)。
日本政府は経済制裁で北朝鮮に流れ込む資金を枯渇させようとしています。一方、その足元で180部隊が荒稼ぎしているんですね。
日本各地に潜む北朝鮮の時限爆弾
金興光:ええ。もう1つ教えましょう。180部隊の隊員たちは、日本から開発を受注したソフトに、必ず細工を施しているはずです。営業秘密を盗み出すプログラムを日本企業のシステムに組み込んでいるかもしれませんし、有事に日本社会を混乱に陥れる目的で、発電所や工場などの産業機器に誤作動や火災を引き起こすプログラムを仕込んでいるかもしれません(筆者注:サイバー攻撃による破壊工作は荒唐無稽な話ではなく、現実の脅威だ。事実ウクライナではロシアと軍事的に対立した14年以降、病院のシステムやATM、クレジットカード、鉄道の券売機が国中で一斉に使えなくなるなど、断続的に破壊工作の被害を受けている。2度の大規模停電も発生した。いずれもロシアの仕業とみられている。国家が水面下で繰り広げる熾烈なサイバー攻防戦の詳細は拙著『サイバーアンダーグラウンド/ネットの闇に巣喰う人々』に譲りたい)。
180部隊が開発したソフトはどこまで日本社会に浸透しているのでしょう。
金興光:180部隊は日本で繰り返し受注してきました。今となっては、彼らが手がけたソフトがどこでどう使われているのか、調べようがありません。であれば社会の隅々に浸透していると仮定しておいた方が賢明でしょう。あなたたちも、十分に気をつけてくださいね。
北朝鮮のサイバー部隊についても詳報! 日経BPから『サイバーアンダーグラウンド/ネットの闇に巣喰う人々』を刊行しました!
本書は3年にわたり追跡した人々の物語だ。ネットの闇に潜み、隙あらば罪なき者を脅し、たぶらかし、カネ、命、平穏を奪わんとする捕食者たちの記録である。
後ろ暗いテーマであるだけに、当然、取材は難航した。それでも張本人を突き止めるまで国内外を訪ね歩き、取材交渉を重ねて面会にこぎ着けた。
青年ハッカーは10代で悪事の限りを尽くし、英国人スパイは要人の殺害をはじめとする数々のサイバー作戦を成功させていた。老人から大金を巻き上げ続けた詐欺師、アマゾンにやらせの口コミをまん延させている中国の黒幕、北朝鮮で“サイバー戦士”を育てた脱北者、プーチンの懐刀……。取材活動が軌道に乗ると一癖も二癖もある者たちが暗闇から姿を現した。
本書では彼らの生態に迫る。ソフトバンクグループを率いる孫正義氏の立身出世物語、イノベーションの神様と評された米アップルの創業者スティーブ・ジョブス氏が駆け抜けた波瀾万丈の人生など、IT業界の華々しいサクセスストーリーがネットの正史だとすれば、これは秘史を紡ぎ出す作業だ。悪は善、嘘はまこと。世間の倫理観が通用しない、あべこべの地下世界に棲む、無名の者たちの懺悔である。
サイバー犯罪による経済損失はついに全世界で年間66兆円近くに達した。いつまでも無垢なままでいるわけにはいかない。
ネット社会の深淵へ、旅は始まる。
コメント11件
ダメおやじ
痴呆公務員
避けたいことではあるけど、一回痛い目に合わないとわからないのですかね。情け無い。。
z
暴対法では「反社には人権はない」に近いレベルの取締をやっているのに、こういうのは野放しなんですね。
きちんと悪いやつを取り締まらないと、民間で陰湿な差別が流行りますよ。
18年のコインチェック仮想通貨盗難(当時のレートで500億円ぐらい)は北朝鮮の仕業って噂だったけど、やっぱりそうなのか。イランの遠心分離機破壊みたいな、国にとって致命的被害が出るのも時間の問題すね……
谷守
自営
記事を読んで、法整備が必要である、と。
何の法か?と言えば、サイバー攻撃に対する自衛の為の法である。
サイバー攻撃は、電子戦争と言える。なぜなら、戦争は、己が生き延びる為に、他者の資産をぶん取る事だからである。
勝手にお金を取られたり、社会
的危機に陥れられる事を防ぐ為には、日本は自衛権を保持する事を、憲法上、明確にしなければ成らない。
...続きを読む日本は自衛権を保持する事を、憲法上、明確にしなければ成らない時期である。
自衛権の保持を明確に憲法に規定しないと、このままでは日本はダメになる。
mst
ソフトウェアの開発は外部委託できないということだな。一番困るのは、政府だな。
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