
フェリカネットワークス(FeliCa Networks)は2月12日より、ポータルアプリ「おサイフライフ+(プラス)」の提供を開始する。加えて、FeliCa系電子マネーの共通ポイント「おサイフマイル」のトライアルも4月より開始する。
既存サービスの集合体「おサイフライフ+(プラス)」
「おサイフライフ+(プラス)」は、従来まで個別に提供されていた「ラッキータッチ」「もらっトク!モール」「レシータブル」といった電子マネーやサービスの利用で、電子マネーとポイントの取得が可能だったサービス群を1つのアプリにまとめたもので、おサイフケータイを使ってのポイント取得がより容易になるメリットがある。
▲2月12日からスタートするおサイフケータイ(およびICカード)の新サービス群また、従来まではおサイフケータイ上の電子マネーで50円以上の買い物を行った場合に1日1回に限り、最大1000ポイントの取得が可能なミニゲームがプレイ可能だった「ラッキータッチ」では、新たにICカードの利用にも対応している。
事前にICカードをアプリ上に登録しておき、店舗などでICカードを使った後にアプリのインストールされている端末上のタッチ部分に当該カードをかざすと、ミニゲームがプレイできるようになる。ミニゲームで得たポイントは、それぞれdポイント、nanacoポイント、楽天Edy、JRE POINT、WAONポイントに転換できる。
おサイフライフ+で提供される各サービスのポイント交換先はサービスによって異なるため、個別の注意事項を確認のこと。
▲おサイフライフ+で提供されるサービス群。各々のサービスで得たポイントは各電子マネーなどのポイントに転換できる電子マネー共通ポイントサービス始動「おサイフマイル」
今回フェリカネットワークスから発表された最大の目玉は、電子マネー共通ポイントサービスの「おサイフマイル」だ。同社によれば「これまでおサイフケータイユーザーへの提供で好評を博していた『ラッキータッチ』をより身近にして、活用頻度を高めるための延長線上にあるサービス」だという。
ラッキータッチはミニゲーム起動のトリガーに過ぎなかったが、おサイフマイルは単純に「100円の買い物につき1マイル」「1000マイル単位で100円相当の電子マネーに交換」という利用金額がそのままダイレクトにポイント(マイル)に反映されるもので、ポイント還元率が「0.1%」と低めながらも、電子マネー各社のポイントプログラムとは独立して存在しており、実質的に「二重取り」「意識せずに自動的に貯まる」という点でメリットは大きいと思われる。
▲電子マネー共通ポイント「おサイフマイル」の概要また、月あたりの電子マネーの利用数に応じて獲得ボーナスが増加するという特徴のほか、当月の獲得マイル数も合わせた結果によりランキングが決定され、ステージ特典として追加マイルの付与が行われる。
マイルの電子マネーへの交換は1000単位だが、それに満たない250マイルでも「くじ1枚」への交換が可能であり、利用が少ないユーザーでもある程度還元を受けられる。なお、これら特典などの詳細情報は4月からスタートするトライアルで変更される可能性があるとフェリカネットワークスでは説明している。
トライアルキャンペーンは1万人限定で実施され、募集期間は2月12日から3月10日まで。応募が1万人を超過した場合には抽選になる。なお、トライアル期間は4月1日から6月30日までを予定している。
▲おサイフマイルの概要ならびに、獲得マイルごとのステージ特典おサイフケータイの仕組みを使った共通ポイントというのは、これまでありそうでなかった仕組みであり、その点で普段からおサイフケータイを利用しているユーザーには使いやすいサービスではないかと考える。
ただ、iDやQUICPayのようなポストペイドの仕組みが含まれないうえ、獲得ボーナスを増やしてステージを上げるためには複数の電子マネーを使う必要がある。そのため、普段から複数の電子マネーを活用しているユーザーに対し、さらにおサイフケータイにそれらを入れて活用を促すというのがフェリカネットワークスの狙いだ。
同社の収益源は、おサイフケータイの処理で発生するトランザクションを通じて得られる手数料収入であり、この仕組みを通じておサイフケータイの活用頻度を上げ、最終的に収益に結びつけたいというわけだ。そのため、キャンペーンの原資なども含め同社から拠出されている。
ある情報源によれば、電子マネーの一部事業者が既存のICカードを使った決済システムを見直し、将来的にフェリカネットワークスの収益源が細る可能性があると述べている。同社としてもサービスの多角化や、キャッシュレス化の波に乗ってさらなるサービスの利活用を進める必要性に迫られており、今回の施策もまた将来に向けての布石となるのかもしれない。