スポーツクライミングのボルダリング・ジャパン・カップは9日、東京・駒沢屋内球技場で男女の準決勝に続いて決勝をを行い、男子は原田海(20)=日新火災=が初優勝、女子は伊藤ふたば(17)=TEAM au=が2017年以来、2度目の優勝を遂げた。
17年大会で史上最年少の14歳で優勝した“元スーパー中学生”が、再び頂点へ舞い戻ってきた。「1回目の優勝はまぐれ。今回は実力も付けて、強くなって優勝できた」と伊藤は笑顔を浮かべた。
東京五輪代表内定の野口啓代(あきよ、TEAM au)、前回女王・野中生萌(みほう、XFLAG)ら強者を抑えた。決勝では誰も成功できなかった難所の第3課題を完登。さらに最終課題を完登すれば、暫定1位の野口を上回れるという場面でそうしてみせた。「最後まで諦めないというのを、心の中で持っていて。全力で楽しもうと笑顔で登りました」
13歳上の野口を「啓代ちゃん」と呼び、一緒に練習するなど慕っている。東京五輪で現役引退を表明する野口は、この大会も最後。伊藤は「もう啓代ちゃんと戦えるが最後。悲しいですし、もっとずっと一緒に出たかった。最後に勝ててうれしい」と両目を潤ませる。
五輪選考会を兼ねる5月の複合のジャパンカップで大舞台を狙うが、選考を巡る国際連盟と日本協会の対立がいまだ収束していない。先行きは不透明だが、「自分でどうこうできる問題じゃないので、目標は変えずに調整したい」と前を向いた。