◆練習試合 中日6―7阪神(8日・北谷)
阪神で2人の熱き戦いが幕を開けた。6―6の9回1死。北條は藤嶋の直球を振り抜いた。“今季初安打”の決勝ソロが左中間の芝生席に弾んだ。「試合に勝ちたいという気持ちが強かったです」。この日の「一日キャプテン」が、今季初の対外試合で矢野阪神を勝利に導いた。
逆転勝ちを演出したのは木浪だった。4点を追う4回2死一、二塁で中堅右へ“チーム1号”の3ラン。2回の第1打席では右中間への二塁打を放った。「『1』が大事だと思っていて、最初の対外試合で1打席目からしっかり入れる準備をしてきたので、結果が出てよかったです」と笑みを浮かべた。ちょうど1年前の紅白戦でも3ラン。2年連続の“初実戦弾”でアピールに成功した。
前日7日。この日の守備位置をかけて2人がじゃんけん。勝った木浪が遊撃、北條が指名打者に決まり、6回から入れ替わった。ともに今オフに結婚を発表。同学年で高校時代は同じ青森県でしのぎを削った。試合後は互いに「(相手は)気にしていません」と声をそろえたが、井上打撃コーチは「2人がバチバチでいけたのは、みんなが競争する上でもいい」とニヤリ。ライバル対決は全体の底上げにもつながる。
矢野監督は「どっちでもいいと言ったら怒られるけど、高いレベルで争ってくれるのが理想。いいショート争いが初戦からできたと思います」とうなずいた。昨年はオープン戦で12球団最多の22安打をマークした木浪が開幕遊撃の座を勝ち取ったが、今年は―。最後まで目が離せない。(中村 晃大)