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電子決済PayPayを使うと中国に個人情報を流出するワケ

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。
 令和元年10月1日から、日本政府は消費税を10%までに引き上げ、消費意欲の激減に対し、電子決済をすれば最大20%のポイントを還元する緩和策とセットで始めました。日本のメディアは電子決済の使い方など、一気に広まってます。

 その中に、日本ではソフトバンクのPayPay(ペイペイ)やJRのSuicaカードなどが、知名度1、2位を争う電子決済サービスではないかと思います。特にソフトバンクのPayPayは莫大な広告を投入して、街中至る所で見かけます。

●PayPayとAlipyaは同じ穴の狢?
 
10月30日、ソフトバンクは「ヤフオクドーム」(元福岡ドーム)を「ペイペイドーム」(PayPayDOME)に改名しました。近年、フリマアプリの大手メルカリはヤフオクの強いライバルになって、ソフトバンクはヤフオクより、新しい事業、電子決済に資金を注入してることがよく分かります。今回の改名も、PayPayのシェア率拡大を狙ってのことでしょう。実はPayPayのシェア率が高いもう一つの理由は「在日中国人」と「中国人観光客」の客層によるところが大きいのです。

 実際に電子決済対応の店舗には、経済産業省認証のPayPayのポップ広告が設けられています。よく見るとPayPayの下に必ず「Alipay 歓迎使用支付宝」という簡体字中国語のメッセージが付いてます。これは「どうぞ、アリペイを使ってください」という意味です。実は店員がレジで「PayPay」項目を選択すると、中国人顧客が中国国内で使われている「Alipay」のアカウントでそのまま読み取って決済できます。
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 これは「PayPay」の広告です。ところが、「海外からのAlipay利用者は、AlipayアプリでPayPayコードを読み取るだけでお支払いできます」、つまりPayPayのシステムはAlipayと顧客の個人情報を共有してます。ここの「海外からのAlipay利用者」はズバリ中国人のことです。

 これは、どういうことでしょうか?
 Alipay(アリペイ)とは、中国名は「支付宝」です。中国大手電子商取引アリババが開発した電子決済システムです。

 中国国内ではアリババが運営してるTAOBAO(淘宝)という中国シェア率1位の通販サイトで、アリペイという電子決済が使用されています。中国のメディアや日本の共同通信の報道によると、ソフトバンクはインドのPaytm社以外に、中国のアリババにも委託し、電子決済システム開発しました。
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 そして、2018年にソフトバンクがPayPay電子決済の誕生を発表しました。

●PayPay決済で個人情報が中国政府にだだ漏れ

 注目すべきは、アリババが主にQRコードを読み取る部分のシステムを担当してるとのことです。実際アリババはどれくらいの割合を担当しているのかは非公開です。ここは重要なポイントで、QRコードを読み取るシステムはアリババのものを使っています。日本人顧客の抵抗感を払拭するため、敢えて日本名を「PayPay」と命名し、実はその中身はAlipayのシステムを日本に移植しただけのことです。実はここに重要な証拠があります。PayPayのロゴデザインは赤地に「P」という文字を書いてますが、Alipayのロゴは青字に「支」(支付宝の頭文字)という漢字を書いてます、図形と書体は一致してます。

 実は僕、美大出身でグラフィックデザインを専攻しました。これほど似てるロゴのデザインの意図は「姉妹サービス」とアピールするためです。つまり、日本人顧客のPayPayアカウントを中国国内のアリババのQRコード読み取るシステムを経由して支払いを済ませるのかもしれません。

 こうすると、万が一、アリババが中国政府にバックドアを提供したら、日本人の個人情報は中国政府にだだ漏れになっております。

 実は、既に漏れているのかもしれません。

 ご存知の通り、電子決済サービスのアカウントは、SNSのアカウントと違います。SNSは適当な偽名、偽の住所、偽の電話番号を書いてもアカウントを取得できます。しかし、電子決済は本名、生年月日と顔写真が付いてる書類の提出、住所、電話番号など複数の認証が必要でしょう。さらに、クレジットカードと繋がってる場合は、カードの番号までが…。そうすると、日本人顧客の個人情報を中国政府に提出することになり、これは非常に危険で、大きな経済被害を及ぶかもしれません。

 では、アリババという会社を信用できるでしょうか?

 2017年、ある中国人男性宅に、突然警察がやってきました。警察は男性に「3年前にTAOBAO(淘宝)で鉄アレイを購入しただろう。その使用目的は何だ!?」と職務質問されました。警察は中国政府の「テロ対策」のためにお馴染みの職務を行っただけですが、ではなぜ警察は「男性が3年前のTAOBAO(淘宝)のネット通販履歴」を入手できたのでしょうか。その後、男性がこの自分の怖い体験をSNSに書いたところ、多くの中国人が似たような体験をしたと告白しました。

●アリババ元会長の発言は信じられるのか!?

 それ以降、アリババの創立者ジャック・マー氏は、ある公開討論会に出席した際、ライバルの通販サイトの運営者たちや一般人のTAOBAOユーザーから「バックドアで顧客の個人情報を政府に検閲させることは事実ですか」と責められています。もはや中国人には、アリババが中国政府によって任意に検閲されているというのが周知の事実です。さらに、この情報はすでに世界に広がってます。

 2018年1月、ジャック・マー氏は世界経済フォーラムを出席した時に、アメリカ人の記者が「もし中国政府がアリババに顧客情報のビッグデータを要求したら、渡せますか?」とマー氏に質問しました。実は記者がすでに中国国内の「噂」を知ってた上で、質問したと思います。すると、ジャック・マー氏はこう答えました(原語を翻訳した)「いままで政府は私にこういう要求をしたことはありません。しかし、テロ対策や国家安全のためなら、私は政府に対して協力は厭いません。これはどの国でも当たり前のことです。それ以外の理由で決して大事なデータを漏らしません、それは大変なことです」

 日本人の皆さん、ジャック・マー氏の言葉をどこまで信用できますか。眉に唾をつけて判断してください。

 さらに、今年にアリババの創立者ジャック・マー氏は、中国政府の圧力で自分が苦労して育てた企業を放棄し、アメリカに「経済亡命」しました。

*過去のコラムを参照してください

■「実は経済亡命?アリババ会長ジャック・マー氏が完全引退するワケとは?」
https://vpoint.jp/world/china/144560.html

 アリババは中国政府にバックドアを提供してるどころか、近い将来にアリババは中国政府に吸収され国有企業になる可能性が高いです。つまり、今PayPayのアカウントを取得した日本人の個人情報を近い将来、中国政府が直接に管轄するかもしれません。

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