2018年最後の大仕事として、信州大学と国土交通省のプロジェクト「ユニバーサルフィールド・コンシェルジュ養成講座」WEB情報発信戦略と写真撮影技術の講師をしてきました。日本の大学で教鞭を執るのは久しぶりなので少しだけ緊張しました。
その後に信州大学写真部にフルサイズ一眼レフなどの撮影機材を寄付し、ファミレスで情報交換を。とても刺激を受けた一日でした。
ユニバーサルフィールド・コンシェルジュのプロジェクトは本業以外のCSR活動の1つであり、車椅子で生活している人たちがアウトドアフィールドを満喫するために、私達にできることはあるのか、慈善事業ではなくビジネスとして継続性を持ち続けるためには何をすべきなのかを官民の両視点から考え形にしていくプロジェクトです。
これまでの経緯をご紹介いします。
登山も写真も健常者だけのものではない
写真領域と登山領域でプロの立場である私が人生の最大の汚点と言ってもいいほど猛省した出来事。車椅子生活を余儀なくされた方々が登山も写真も楽しむことはできないんだと勝手に決めつけていたこと。
多くの人に写真と登山の魅力を発信したいと思いながらも障害者の方たちを視野に入れていませんでした。
そして2年前に出会ったata Alliance。彼らは身体障害者にアウトドアフィールドをエンターテイメントとして提案し形にしていました。
そこで自分にできることして、アウトドアフィールドで困っていることをヒアリングし、解決するために必要な情報提供や企業とのリレーションシップ構築のお手伝いをしました。
成果物の1つの例として、極寒地での車椅子アクティビティに対応できる防寒着や、ソリューションなどが形になっていきました。
https://www.ata.tours/finetrack
信州大学のユニバーサルツーリズムプロジェクトに協力
アウトドアでの車椅子行動の安全性や快適性が形になったあとは、より多くの身体障害者の方にアウトドアフィールドの楽しさを満喫してもらにはどうすれば良いのかを考える段階になりました。
すでに私などがいなくても多くの協力者がいて事業がスケールしていく予感はしていたのですが、ありがたいことに車椅子の方にネイチャーフィールドの美しさを発信し、また障害者自身が能動的にアウトドアを楽しむためのツールとしてのカメラ、その撮影技術の確立のためのスタッフとしてお声がけをいただけたので、プロジェクトに参加しました。
ユニバーサルツーリズムのツアーを作る人材育成
障害者の方のためのツアーを造成する、ユニバーサルフィールド・コンシェルジュ養成講座に参加した観光協会や観光業の方々。阿智村、白馬村、なべくら高原、戸隠…長野県全域から受講者が集まりました。
その方々にツアーで集客するためのWEB技術や撮影技術を提供する講師として、今回の講習を行った流れです。
受講者の中に数年前に出会った山岳ガイドさんがいてお互いにびっくり、世間は狭いものです。
日本に帰ってきてからはリクルートでWEBディレクター・デザイナーとしてWEBを扱ってきたこと、CSR事業として奥飛騨の観光協会で事業指揮をしてきたこと、本業の写真撮影の技術。すべてを組み合わせた内容の共有してきました。
信州大学での講義
信州大学についたのは午前9時前。あまり大学に来ることはないので訪れるたびに新鮮な気持ちになります。みんな若い…。
図書館の中にセミナールームがあり、今回はここで講義を行いました。
大学の少教室みたいなところでやるのかなと思っていたのですが、広々としていてガラス張りでやたらと開放感がある…。こ、これはガチなやつなのでは…
国立大学であろうと国家プロジェクトであろうと私は山写。
講義内容は「ファンを作るたWEB戦略と美しい自然を切り取る撮影術」。
これまで行なってきた地方創生事業を例に、WEBで発信する前に何をするべきなのか、0スタートから始めるときはどうすればいいのか、資金がない場合の調達方法などを講義し、最後に観光協会や旅館経営者でも無理なくできる写真撮影方法を共有しました。
実は誰でもキレイな写真を撮るためのツールとしてジンバルは有効ではないかと思い、SNAPPAのATOMのレビューをお引き受けしたというのもあります。こちらも講義で情報発信のための有効なツールとして紹介しました。
9時から始まった講義がすべて終了したのは16:30。熱量のある議論で刺激になりました。
信州大学にカメラを寄付
講義が終わったあとは、以前から少しだけDMでやり取りしていた信州大学写真部のフォロワーさんとコミュニケーションを取りました。
以前から山岳写真の普及や学生に支援できることがないかと模索していたので、彼が所属する写真部にNikon D3、Ai AF 50mm F1.4D、スピードライトSB-600を寄付してきました。
ちなみに私が持っているLEDライトはIWATAのジーニアスライト。光量や色温度が調整でき演色性も高いライトでスマホでのブツ撮りに向いているとせミナーでも実践したものです。
お話させて頂いたのが写真部の彼と、山岳会所属の2名。両方とも農学部所属で登山から入り写真を始めたそう。話させて頂いた限りでもしっかりと登山に取り組んでいるため安心してカメラをお渡しすることができました。
山岳写真のために活動している私としても信州大学の写真部に寄付できたことは光栄なことです。
信州大学農学部のお土産
嬉しいサプライズとして農学部の作ったお土産をもらってしまいました。学生に気を遣わせてしまって申し訳ない…。
自宅に帰って早速開封。まず出てきたのがジャム。これはもう美味い予感しかしない。今日から朝は食パン派になる!
次に出てきたのがリンゴと梨チップス。デスクワークのお供に最高だ。
登山と写真の新たな可能性を見出したプロジェクト
2年前まではまったくの無知であり、それを反省し、自分にできることを模索した結果、今年でようやく大学で講義という形で日本のユニバーサルツーリズムに少しは貢献できたのではないかと思います。
長野県全域の観光協会、宿泊施設、大学、JTBなどの民間企業が連携して障害者の方々にアウトドアアクティビティを提供するためにはどうすればいいのかを本腰で議論しあえる段階まできました。
私が貢献できることといえば世界中の山々を登ってきた経験、ネイチャーフォトグラファーとしての知識と技術、IT企業で培ったWEBやマーケティングくらいですが、彼らの取り組みを支援しより多くの人達に山と写真の楽しさを提供できればと思います。
このプロジェクトは引き続き参加しつづけます。
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